アイスタイルは、2019年上半期ベストコスメ発表に伴い記者説明会を開催した。同社のベストコスメの特徴は「アットコスメ(@COSME)」に寄せられたクチコミ投稿をもとに集計している点で、「コスメデコルテ(DECORTE)」の「フェイスパウダー」が大賞になった。また、各部門の受賞製品や投稿に含まれるキーワードの出現率から、消費者の“19年上半期ビューティキーワード”が読み取れる。
「2019年上半期は、肌の美しさを表現したアイテムが注目を集めた。要因は、写真加工アプリの利用が当たり前のものとなり、素肌が美しければきれいになれることをアプリに教えられ、アプリで加工された自分が美しさの基準になっていることにある」と原田彩子「アットコスメ」リサーチプランナーは今回の傾向について分析。スキンケアはもちろんのこと、変化をすぐに実感できるベースメイクアイテムへの関心も高まっており、それらの製品に関する投稿数は前年比で10ポイント以上増加しているという。
素肌を美しく見せることが関心事のトレンドになり、クチコミで使われる言葉も「素肌感」が「素肌」を1.6倍上回った。大賞受賞の「フェイスパウダー」は1998年8月から続く人気製品だが、今年1月に“なりたい質感に合わせて選べる”をキーワードに全6色でリニューアル販売した。特に色を乗せずに艶感のある肌を作る新色のクリアカラーが支持されていることからも、素肌の美しさを演出するアイテムへの関心が高いことが分かる。
また、17年頃からメディアでたびたび使われるようになった、パーソナルカラーの「ブルベ・イエベ」や、「トーンアップ」という言葉も19年上半期に上昇。「ブルベ・イエベ」は前年比1.3倍の出現数に、「トーンアップ」は同2.2倍になったという。今年に入ってからこれらキーワードを製品特徴に取り入れたリップやファンデーションが相次いで発売されていることも要因の一つといえるが、これらの言葉が消費者にも理解され、広く浸透したことがうかがえる結果となった。
なお、今回のベストコスメは18年11月1日~4月30日の新商品が対象で、集計対象アイテム2895製品、クチコミ件数4万8082件から選出。各部門では、化粧下地部門は「ランコム(LANCOME)」の「UV エクスベール トーン アップ ローズ」、リキッドファンデーション部門は「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」の「アンリミテッド ラスティング フルイド」、チーク部門は「コフレドール(COFFRET D'OR)」の「コントゥアリップ デュオ」となった。