「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOは、足のサイズを計測する新技術“ZOZOMAT(ゾゾマット)”を発表した。“ZOZOMAT”のレイアウトを印刷したものと専用のアプリを使うことで、足を3D計測するサービスだ。現在特設ページで予約を受け付け中で、秋冬以降に順次無料で配布する。 “ZOZOMAT”の使い勝手はどうなのか?計測結果の精度は高いのか?同技術発表に先駆け、ZOZOの青山オフィスで実際に体験した。
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用意されていたのは、やや大きめの用紙1枚。中央には足を置くスペースが、その周囲には“ZOZOSUIT”でも使用されたドットマーカーが施されている。早速マットに足をのせ、スマートフォンの専用アプリを起動。あとはアプリの案内に従い、マットの外周で色分けされている部分ごとに右と左、それぞれの足の周囲を撮影するだけだ。(ちなみに、右足を計測する際には右手、左足の場合には左手でスマートフォンを持った方がスムーズに撮影できる)。着て撮影しなければならない“ZOZOSUIT”と比較すると、利便性が高い。また、“ZOZOMAT”のレイアウトを印刷する素材を問わず、新聞やステッカーなどに印刷しても問題ないため、低コストで短期間での大量配布が可能だという。
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撮影後は数秒の待機時間の後、自身の左右の足の3D計測結果が表示され、自身の足のデータを360度確認できる。さらに「詳しいサイズを見る」ボタンをタップすると、足の縦の長さや幅、甲の高さなど、主要な7項目について数値が詳細に記載されている。計測結果の精度に関しては、数百万円ほどの高性能レーザースキャナーとの比較テストを160人を対象に行ったところ、平均誤差は約1ミリ程度だったという。なお、担当記者は甲高幅広の偏平足だが、計測結果の3Dデータにもしっかりと反映されていた。
担当役員が語る
“ZOZOMAT”の展望
「ネットでは多くの人が間違ったサイズの靴を買ってしまっているのが現状で、返品も多い。さらに、同じブランドの靴でも種類によってサイズ感が違うこともある。靴は試着しないと選びづらく、ネットでの購入は服よりも難しい」。そう語るのは、“ZOZOMAT”開発を指揮した伊藤正裕取締役だ。計測データはプライベートブランド(PB)「ゾゾ」でのシューズ製造ではなく、「ゾゾタウン」上でのシューズ購入のサポートのほか、ブランドや靴メーカーとの取り組みに活用していきたいという。「『ゾゾタウン』内での靴の流通総額は約360億円。全体の10~11%ほどで、まだ伸びしろがある。これを機に、『ゾゾタウン』は靴の販売に力を入れていく。また、“ZOZOMAT”の技術を多くのブランドやメーカの方に見てもらい、協力していただくことで、ネットでの靴購入においてより良い体験を作れる可能性が生まれるはずだ」。