バッグブランド「バオ バオ イッセイ ミヤケ(BAO BAO ISSEY MIYAKE 以下、バオ バオ)」を手掛けるイッセイ ミヤケが鳥取県のバッグメーカーのバルコスを相手取り、バルコスの商品が「バオ バオ」に類似する特徴を備えているとして、不正競争防止法違反等を理由に製造、販売および輸入等の差止めを求めている件について、バルコスは反論コメントを発表した。バルコスは、「(差止め請求の対象となっている『ハナアフ(HANAA-FU)』の商品は、)バッグ外面に大きく折れ線を施し、折り紙のようにバッグを変形させ、所定のスタイルに固定することができる」ため外面に施した線は細かく規則的で、バッグを折りたたんで使うことや変形した状態を固定できない「バオ バオ」の商品とは「デザインコンセプトが根本的に違う」と主張。同社はこのデザインについて意匠登録を行っていると主張し、「地方都市発のブランドが生み出したオリジナルデザインを守るため、イッセイ ミヤケの主張には断固として反論する」と続ける。これに対してイッセイ ミヤケは、「当社は外部の中立な有識者による法的意見も踏まえ、不正競争防止法違反を理由に本件の申立てを行っている。今後は裁判の中で主張していく」とコメントした。
差止め請求の対象となったのは、「ハナアフ」で展開する“アリエス ネオ(ARIES NEO)”をはじめとするバッグ3型。いずれもタイルのようなピースがバッグの側面に用いられ、境界部分が折れ曲がり立体的に変化する特徴を有している。イッセイ ミヤケは、この特徴が「バオ バオ」の特徴である“物を入れるとタイルのようなピースの境界部分が折れ曲がり、外観が立体的に変形する点”に類似すると主張。2月から両社で協議を重ねてきたが、バルコスはイッセイ ミヤケ側の主張を全面的に否定し要求に応じなかったため、解決の見込みがなくなったと判断して、イッセイ ミヤケ6月13日に仮処分の申し立てに踏み切った。