ストリートカルチャーの祭典「コンプレックスコン(COMPLEXCON)」の共同創設者で、トレードショーの「アジェンダ(AGENDA)」の創設者であるアーロン・レバント(Aaron Levant)が2018年に立ち上げたECおよびコンテンツプラットフォームの「NTWRK」は、米イベント会社ライブ・ネーション・エンタテインメント(LIVE NATION ENTERTAINMENT)とラッパーのドレイク(Drake)から出資を受けたと発表した。
同プラットフォームは、設立当初にワーナー・ブラザース・エンターテインメント(WARNER BROS. ENTERTAINMENT)や、音楽プロデューサーでヘッドホンブランド「ビーツ(BEATS)」の共同創業者であるジミー・アイオヴィン(Jimmy Iovine)などからも出資を受けている。今回受けた額などの詳細は非公開だが、資金は新たなポップアップイベントの「NTWRKプレゼンツ(NTWRK PRESENTS)」の設立やさまざまなコラボレーションなどに使用されるという。
「NTWRK」は、ポップカルチャーのアイコンたちが登場する独自のコンテンツを配信し、その中で紹介されている商品をアプリですぐに購入できる“体験型EC”を提供しているほか、アーティストと協業した限定商品やライブ・ネーションが主催するライブのチケットなども販売している。レバント最高経営責任者(CEO)は、「アーティストや音楽業界とのコラボ商品はカルチャーや小売りをけん引してきたし、音楽との懸け橋にもなっている」と語った。
ミュージシャンと公式グッズの“蜜月関係”の代表としては、カニエ・ウェスト(Kanye West)が挙げられるだろう。16年に発表されたアルバム「ザ・ライフ・オブ・パブロ(The Life of Pablo)」を着想源としたウエアは2日間で100万ドル(約1億700万円)を売り上げ、「ナイキ(NIKE)」や「アディダス(ADIDAS)」と協業したスニーカーは毎回飛ぶように売れている。ほかにも、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)が16年にSNSの「ブイファイルズ(VFILES)」と協業してツアーグッズを販売し、ラッパーのトラヴィス・スコット(Travis Scott)はアルバムの発売を記念して24時間限定でカプセルコレクションを発売した。ドレイクも、19年3~4月に「NTWRK」と協業してツアーグッズを販売しているが、こうした“音楽・ファッション・EC”のコラボレーションは枚挙にいとまがない。
レバントCEOは、「コンプレックスコン」がそうであるように、「インフルエンス、パーソナリティー、ブランドを集合させる」ことで面白いことが起きると述べた。