「ケンゾー(KENZO)」はクリエイティブ・ディレクターにフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveira Baptista)を任命した。
オリヴェイラ・バティスタは7月1日にブランドに加わり、2020-21年秋冬パリ・メンズ・ファッション・ウイークに参加する。彼は10~18年の間、「ラコステ(LACOSTE)」のクリエイティブ・ディレクターとしてキャリアを積んだ。「ケンゾー」の前任デザイナーとして8年間ブランドをけん引したキャロル・リム(Carol Lim)とウンベルト・レオン(Humberto Leon)はブランドを離れ、自身が運営するオープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)の事業に専念することを6月に発表している。
シルヴィ・コリン(Sylvie Colin)=ケンゾー最高経営責任者(CEO)は「グローバルで鋭い美的感覚を持ち、他の候補者より優れていたことが任命の決め手となった。360度のクリエイティブビションを持ちグローバルにアーティスティックなディレクションができる彼には、コレクションとコミュニケーション戦略の両方に取り組んでもらう」と語った。ブランドのロゴや販路に変更については「彼がブランドの全体的なコミュニケーションに影響を与えるだろう」とコメントした。
構築的なシルエットと実験的なクリエイションで知られるオリヴェイラ・バティスタはポルトガル出身で、パリを拠点とし、自身の名前を冠したブランドを03年にパートナーのセヴェリーヌ・オリヴェイラ・バティスタ(Severine Oliveira Baptista)と設立し、その1年後には若手デザイナーの登竜門「イエール賞」を獲得。ブランドは14年から休止している。
「彼のスタイルはわれわれのDNAととても相性がいい」とコリンCEOは語った。「彼の素晴らしさは日常における洗練されたスタイル。シックかつスポーティーなシルエットは、『ケンゾー』の本質とマッチする。彼のクリエイティブな才能は革新的でありながら、彼の生み出す服は人々のリアルな生活にしっかりと根ざしている」。
妻のセヴェリーヌは彼ら自身のブランドや「ラコステ」でのクリエイティブな側面で貢献してきたが、「ケンゾー」の新プロジェクトでも“密接な共同制作者”として参加するようだ。