イタリアの大手眼鏡企業サフィロ(SAFILO)は、「ディオール(DIOR)」との23年にわたる眼鏡のライセンス契約を2020年12月31日で終了すると発表した。
「ディオール」はサフィロの主力ブランドで、この20年以上で累計約3000万本の眼鏡を販売しており、2018年度は全売上高の約13%を占めた。17年にライセンス契約が終了した「グッチ(GUCCI)」に続き、看板ブランドをまた失うことになった。
アンジェロ・トロッキア(Angelo Trocchia)=サフィロ最高経営責任者(CEO)は「当社の中心的存在であり、多くの従業員が『ディオール』に育てられた」と無念さを示す一方、「われわれはさらに強力な成長に向け、将来を見据えている」と語るとともに対応策を話した。主軸は、ブランドビジネスの再構築。ハウスブランド「カレラ(CARRERA)」「ポラロイド(POLAROID)」「スミス(SMITH)」「サフィロ(SAFILO)」の強化に加え、「フェンディ(FENDI)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「マックスマーラ(MAX MARA)」など数多くのライセンスブランドによって総合力を高めていくという。昨年末から「リーバイス(LEVI’S)」「ミッソーニ(MISSONI)」「デヴィッド・ベッカム(DAVID BECKHAM)」など新しいライセンス契約を相次いで結び、ブランド力を拡大している。
「85年の歴史を持つサフィロ独自の創造力、技術力、人的活力を駆使し、魅力的で多彩なブランドポートフォリオを強固にする。カギとなる国、ブランド、販路に集中しながら、売り上げ向上を目標とするサフィログループの20年のビジネスプランに沿ってまい進している」と語った。
「ディオール」の眼鏡は21年以降、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON 以下、LVMH))とイタリアの大手眼鏡企業のマルコリン(MARCOLIN)による合弁会社ティリオス(THELIOS)が手掛けるとみられる。ティリオスは現在「セリーヌ(CELINE)」「ロエベ(LOEWE)」「フレッド(FRED)」「ケンゾー(KENZO)」「ベルルッティ(BERLUTI)」などLVMH傘下のブランドと次々に契約している。