日本ラグビーフットボール協会は7月4日、9月20日から開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会に向け、日本代表が着用する新ジャージーを発表した。1997年からラグビー日本代表とパートナーシップ契約を締結しているカンタベリーオブニュージーランドジャパン(CANTERBURY OF NEWZEALAND JAPAN)が手掛け、各ポジション別の3種のトップスとショーツ、ソックスおよびサポーターが着用するレプリカジャージーを製作した。
生地、糸、加工にいたるまで全てがメイド・イン・ジャパンのジャージーは、武士道精神と代表チームの誇りとともに世界に挑戦する意気込みも込め、日本の文化を代表する兜をコンセプトに製作された。1926年から続く白と赤の日の丸カラーをベースとしたボーダー柄で、前身頃は兜の前立てをモチーフとしたV字型にすることで体を大きく見せて威圧感を生み、後ろ身頃は富士山をモチーフに山字型に曲げることで後方からの相手選手に速さを感じさせるデザインに。また、古来から縁起が良いとされている吉祥文様が全体にあしらわれているほか、随所にご来光をイメージしたゴールドが散りばめられ、左胸に配されたチームシンボルの桜は、手を当てた時により誇りを感じられるようにと初めて立体的なものになった。
そして最大の特徴は、ポジションに合わせてジャージーが製作されたことだ。ラグビーはポジションによって胸部が発達した選手がいたりと体格や動き方が異なるため、これまでもポジション別に性能やシルエットの違うジャージーを製作することはあったが、今回は初めてフロントロー用、セカンドロー・バックロー用、バックス用の3種類を日本代表選手とのヒアリングを重ねながら製作した。フロントロー用とセカンドロー・バックロー用は経編生地のため耐久性に優れ体へのフィット感とホールド力が高く、バックス用は丸編み生地のため伸縮性に優れながらも相手選手からつかまれにくく、走行時にもストレスがない構造となっている。なお3種類とも、これまでの日本代表ジャージーと比較して耐久性、軽量性、速乾性、べたつき感を軽減する濡れ摩擦など全ての機能性が向上し、縫い目から裂ける可能性があるため、立体成型技術を導入した。
同日都内で行われた記者発表会には、キャプテンのリーチ・マイケル選手らがそれぞれのポジション別ジャージーを着用し登壇した。「とても快適で、肩に滑り止めがあってスクラムの時に滑らない。ワールドカップが楽しみです」(リーチ・マイケル選手、バックロー)。「最初はタイトかなと思ったんですが、動いてみると胸の部分が立体的な構造になっているので適度なルーズ感があります」(堀江翔太選手、フロントロー)。「バックスの選手にとって相手選手につかまれるのは致命的なのですが、つかみにくくなっていますし良い武器になると思います」(福岡堅樹選手、バックス)。
また、清宮克幸・日本ラグビーフットボール協会副会長は「カンタベリーには22年もの長い間サポートしていただいているが、こんなかっこいいジャージーは見たことがない」と笑みを見せ、森本邦夫カンタベリーオブニュージーランドジャパン社長は「今回初めて日本でW杯が開催されるが、それに伴い選手のみなさまだけではなく日本中が一つになって戦い、また再び世界を驚かせたいと強く思い製品を開発してきた。またこうして新ジャージーを発表できることは大きなよろこびであり誇りだ」とコメントした。
レプリカジャージーは7月10日から「カンタベリー」公式サイトおよび取り扱い店舗で販売される。W杯仕様レプリカジャージーが1万800円で、レプリカジャージーが9800円。
日本代表は9月20日にロシア代表との初戦を迎え、その後28日にアイルランド代表、10月5日にサモア代表、13日にスコットランド代表と戦う。