東急電鉄は、ミラノの高級カフェ・菓子店「コヴァ(COVA)」と独占ライセンス契約を締結し、9月にギンザ シックス(GINZA SIX)3階に、11月に渋谷スクランブルスクエア4階にそれぞれ店舗をオープンする。
「コヴァ」は1817年にミラノのスカラ座側で創業し、オペラ歌手や小説家といった文化人が集うカフェとして名をはせた。1950年にはラグジュアリー・ブランドが軒を連ねるモンテナポレオーネ通りに移転し、ウィンドーを飾る芸術的なスイーツやペストリーなどが支持されてきた。2013年にはLVMHグループ傘下に入り、近年はアジアを中心に海外出店を強化している。
秋にオープンする銀座と渋谷の店舗はミラノ本店を再現し、マホガニー木材や大理石を使った店内に大きなシャンデリアを配し、落ち着いた雰囲気に仕上げる。メニューは、ミラノ本店のエグゼクティブ・シェフが監修し、輸入食材を生かして同じ内容を提供する。エスプレッソやカプチーノをはじめ、リゾットなどのランチやスイーツ、カクテル類などをそろえる。またチョコレートやジャムなどのギフトコレクションも充実する。コーヒーは1杯1500円程度となる予定だ。
堀江正博・取締役執行役員リテール事業部長は、「ラグジュアリー・ゾーンの飲食には可能性を見出しており、まずはLVMHグループとの強固な関係の下、『コヴァ』をきっちり仕上げる」と話す。提携・導入の背景についてはモノからコト、体験型へと広がっている消費者動向の変化や、都市型SCの増加などをあげる。「消費者のラグジュアリー市場へのアクセスは百貨店だけではなく、都市型SCにも広がっている。商業施設の運営会社として単にテナントを迎え入れるだけではなく、自ら運営主として携わってゆく」考えだ。このため「コヴァ」においても同社を事業主体に、100%子会社のインターナショナルレストランサービスが店舗運営し、東急ホテルズがメニュー開発のサポートを行うなど、飲食に強い東急グループの総合力を生かす。