リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS以下、リーバイス)の2019年3~5月期決算は売上高が前年同期比5.3%増の13億1300万ドル(約1418億円)と増収だったが、純利益は同62.3%減の2900万ドル(約31億円)と大幅な減益となった。これは主に3月の再上場に2900万ドルの費用がかかったことによるという。なお、上半期で見ると売上高は同6.1%増の27億4700万ドル(約2966億円)で、純利益は同201.7%増の1億7500万ドル(約189億円)と大幅な増益となっている。
地域別の売上高では、南北アメリカが同3.4%増の6億9300万ドル(約748億円)、ヨーロッパが同8.4%増の3億9800万ドル(約429億円)、アジアが同6.2%増の2億2200万ドル(約239億円)だった。
チップ・バーグ(Chip Bergh)最高経営責任者(CEO)は、「世界経済について誰もが暗い展望を描いているが、当社の業績を見る限り、グローバルベースでの消費者動向はそれほど悪くないと思う」と語った。
北米事業の成長率がやや鈍化しているが、これは卸が2%程度下落したことに由来するという。バーグCEOは、「百貨店にとって厳しい環境が続いていることが影響した。その対応策としてメイシーズ(MACY’S)で卸ではなく自分たちで売り場を運営する方式を試験的に導入したり、ターゲット(TARGET)での販路を拡大したりと新たなアプローチを取っており、いずれも良好な結果となっているので、より厳しい状況にある卸先の分をある程度は相殺できると考えている。当社は110の市場で事業を展開しているため、北米が多少不振でもその他の市場で十分にカバーできるだろう。なお、直営店の売り上げは順調だ。現在はさまざまな場所で購入できるので、消費者に来店してほしければ買い物体験などに工夫を凝らす必要がある」と述べた。また緊張が続く米中の貿易摩擦については、特に影響はないと話した。
第2四半期の結果を受け、リーバイスの株価は時間外取引で前日比7%安の22.04ドル(約2380円)をつけたが、それでも再上場時の公募価格の17ドル(約1836円)を大きく上回る価格で推移している。バーグCEOは、「再上場はゴールではなく、新たなスタートだ。再上場のためにリーバイスはさらに強く、よりよい企業になったと思う」と語った。