ナイキ(NIKE)は、2009年に国内初の旗艦店としてオープンした「ナイキ フラッグシップストア原宿」を、新たなショッピング体験を提供するデジタルと実店舗の融合店「NIKE HARAJUKU」として7月12日にリニューアルオープンする。住所は変わらず東京都渋谷区神宮前1-13-12で、営業時間は11〜20時。店舗構成は1階がウィメンズフロア、2階がメンズフロア、3階が「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」をはじめとしたバスケットボール用品とカスタマイズサービス「ナイキ バイ ユー(NIKE BY YOU)」のサービスカウンターとなり、総売り場面積は1500平方メートルと日本最大級の旗艦店になる。
リニューアルの経緯について小林哲二ナイキジャパン バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーは、「原宿は代々木公園や代々木体育館などスポーツを楽しむ場があり、なおかつ世界が注目するスニーカーカルチャーの街で、ナイキにとってこれ以上いい街はない。そして、デジタルと実店舗は分けて考えられがちだが、消費者がほしい物を買う際、デジタルで買うか実店舗で買うかという考えはない。この両者のシームレスな関係を体験できる場所として原宿店のリニューアルを決めた」と説明。続けて、キャシー・キタガワ=ナイキジャパン ダイレクト デジタルコマース ゼネラルマネジャーが「東京はナイキにとって世界で12カ国にある“キーシティ”の1つ。他国に比べても消費者がスポーツに熱心で、かつデジタル化、モバイル化も進んでいる」と話すように、「NIKE HARAJUKU」はニューヨーク店と上海店に次ぐ世界3店舗目のアプリと連動した店舗として生まれ変わる。
アプリとの連動の主な特徴は、「NIKE HARAJUKU」から80km圏内であれば在庫の確認や取り置きができ、さらに店舗に近付くとGPSと連動したクーポンの配布やイベントへの招待、アイテムのバーコードのスキャンで詳細情報を得ることができるなど。これにより消費者は欲するアイテムにスムーズにたどり着くほか、1日に何百件とかかってくる在庫確認の電話など実店舗で働く販売員の負担も軽減される。さらに、今年度中にバーコードスキャンを用いた決済サービスや商品の検索技術などのサービスも拡充していく。
リニューアルに伴い3フロアの店舗構成も大きく変更した。1階はグローバルでも強化しているウィメンズの専門フロアとなり、試着室は従来比2倍の広さで周りからの目線を気にすることなく試着できるようなプライベートを重視した空間に。2階は主力であるメンズスニーカーをはじめとしたアイテムが並ぶメンズフロアで、1階から2階へと上がる階段にはブランド名の由来である「サモトラケのニケ」のスカルプチャーが吊り下げられている。3階はバスケに特化し「ジョーダン」とナイキのバスケ用品を取り扱うほか、カスタマイズサービス「ナイキ バイ ユー」のサービスカウンターを設置。ここでは定期的に東京を拠点とするアーティストとのコラボレーションしたカスタマイズオプションも用意し、第1弾のコラボアーティストはとんだ林蘭だ。
ウィメンズへの注力に対してはキタガワ=ゼネラルマネジャーは、「ウィメンズはカギになる要素だと考え、特にここ最近はより大きく投資をしている。スポーツを日々の習慣にしたいという考えは、男性のみならず女性にも向けている。さらに女性でも“スニーカーヘッズ”が増えていることもある」と語る。「世界中が“体験”を重視する中で、スポーツの楽しさを伝えることができるのがナイキの強み。スポーツの感動をデジタルと結び付け、消費者の期待に応えるだけでなく、一歩先を行く」。