伊藤忠商事は、英国のライフスタイルブランド「キャス キッドソン(CATH KIDSTON)」のコスメ・化粧品分野の日本市場における独占輸入販売権を取得した。化粧品・日用品の専門商社である東京堂(東京、佐々木忠雄社長)を通じてバラエティーストアやドラッグストアなどで展開する。今年10月から第1弾としてハンドクリーム(900円)やリップバーム(750円)、これら2種をおさめたギフトボックス(2500円)を販売するほか、2020年からは香水も取り扱う。
花柄モチーフのファッションアイテムやホームファニチャーが人気の「キャス キッドソン」は1993年にロンドンで誕生。日本では02年にユナイテッドアローズが日本に導入し、05年に兼松繊維、11年にサンエー・インターナショナルに事業が移管された。15年からは英キャス・キッドソン社が100%出資する日本法人が、店舗・ECサイトの運営を行っている。
ブランドのコスメラインは英国の化粧品メーカーであるヒースコート&アイボリー(HEATHCOTE & IVORY)がライセンス契約を締結して世界25カ国で展開しており、ブランドのアイコンであるクラシックな花柄に合わせ、フローラルな香りや天然成分を使用したスキンケアやボディーケア、バスアイテムなどをそろえている点が特徴だ。日本でもこれら製品はブランド店舗やECサイトで購入が可能だったが、今回伊藤忠が独占輸入販売権を取得したことで販路を拡大。また、パッケージデザインや香りを日本市場向けに変更する。ヒースコート&アイボリーによると韓国での年間売り上げは約500万ドル(5億4000万円)であることから、日本でも将来的には10億円規模の売り上げが見込めるのではないかとしている。
伊藤忠内で今回の事業を担当するのは繊維カンパニー。同カンパニーはこれまでもさまざまなアパレル関連の独占輸入販売を行ってきたが、繊維カンパニーとして本格的に化粧品関連を扱うのは初めて。「われわれ繊維カンパニーはこれまでもブランドという切り口で、広くライフスタイルに訴えかける製品を提供してきた。今、衣類だけを売っている店はなく、さまざまな製品を並べることが当たり前になっている。だからこそ消費者の動向に合わせ、今伸びている化粧品ジャンルも取り扱うべきだと考えた」と同社担当者。今回の取り組み事例をベースに、今後は、化粧品ブランド事業を広げていく考えだ。