美容機器の「リファ(REFA)」や「シックスパッド(SIXPAD)」などを製造・販売するMTGは18日、同社の中国向け越境EC事業ならびに連結子会社であるMTG上海における不適切会計を受け、再発防止策を発表した。経営目標値の策定・管理プロセスを見直して、過度な売り上げ目標の設定を防止する。また、本社管理部門の機能を強化し、集団的経営指導体制を構築するとともにコンプライアンス(法令遵守)教育を徹底する。
目標値の策定においては、各事業本部での収支予測後にそれらの裏付けとなる数値資料と突き合わせて、販売現場や市場実態に即した数値であるかの妥当性を検証する。特に、卸先が消費者に販売した数量・売り上げ情報を最重要指標とするとしている。12日に発表した第三者委員会の報告書では、商品を卸先に納めた段階で売り上げに計上していたことが不適切であると認定されていた。
さらに、企業風土の改革にも取り組む。役員の経営姿勢が上司の意向に逆らえない企業風土を醸成し、組織全体が誤った結論に同調する一因となったという反省から、多様性を取り入れた集団指導体制への移行を目指す。また、本社管理部門の機能に対する役職員の認識を改善し、管理部門による事業部門へのけん制機能、国内外グループ会社の指導・監督を強化する。日常業務の執行監査と労務監査を中心としていた内部監査室の人員を外部採用も含めて増員し、適正な会計処理を目的とした内部統制の評価に重点を置き、特に海外グループ会社の監査頻度を上げるとしている。
これらの再発防止策に加えて、売り上げ・利益追求ではなくコンプラインアンスを重視した経営への変革に向けて8月から役員向けのコンプライアンス研修を実施。加えて、経営陣から独立した内部通報窓口を設ける。