ビジネス

東急東横店が2020年3月末で営業終了 86年の歴史に幕

 東急百貨店は、渋谷駅で運営する東急東横店の営業を2020年3月31日で終了する。親会社の東急電鉄などが進める渋谷駅再開発に伴うもの。地下1階で営業する食品売り場「東急フードショー」など一部は営業を継続するものの、1934年に開業した老舗百貨店としての歴史には幕を閉じる。

 東京におけるターミナル型百貨店の草分けとして知られる東急東横店は、その立地から多くの来店客を誇り、同社の中では富裕層の顧客が多い渋谷本店を上回る「売上高・利益ともに最大の店舗」(同社広報)だった。閉店に伴う従業員の希望退職募集は行わず、他事業部への配置転換などで対応する。渋谷駅再開発に伴う閉店は既定路線だったものの、百貨店が一番店を失う影響は大きい。同社は収益モデルの見直しを迫られることになる。

 現在、渋谷駅では東急電鉄、JR東日本、東京メトロの3社による再開発が進められている。東急東横店はすでに13年に東館を閉店して、西館・南館の2館(売り場面積1万9000平方メートル)で営業していた。東館跡地を中心とした場所には11月1日に「渋谷スクランブルスクエア」の第1期棟が開業する。閉店後は西館・南館も取り壊され、27年に開業予定の渋谷スクランブルスクエアの第2期棟が建設される。

 渋谷スクランブルスクエアの第1期棟では、東急百貨店がテナントとして食品(地下1〜2階・1階)、服飾雑貨(5階)、化粧品(6階)の売り場を運営する。同社は東急グループの渋谷ヒカリエの商業施設であるシンクスおよび東急プラザ銀座でも同様のビジネスモデルを展開。百貨店事業で培ったノウハウを活用した新業態に取り組んでいる。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。