ファーストリテイリング傘下のユニクロは今秋、インド市場に進出する。ニューデリーやその近郊に3店舗をほぼ同時にオープンする予定で、まずは10月に「デリー首都圏で最も人気のあるショッピングエリアの1つ」というバサントクンジ地区の高級ショッピングモール、アンビエンスモールに出店。地上1~3階の3フロア、売り場面積約3300平方メートルに、グラフィックTシャツの“UT”を含む、メンズ、ウィメンズ、キッズ、ベビーの全商品をそろえる。
2号店は、ニューデリー南部の高級住宅地、サケットに改装オープン予定のモール、DLFプレイス・サケットに出店する。2フロアで約1980平方メートル。3号店はニューデリーの衛星都市グルガオンに出店。IT関連企業も多数オフィスを構える街で、その中心部のモール、DLFサイバー・ハブに2層約1155平方メートルで出店する。両店とも、1号店同様に全商品をそろえる予定。
出店に際し、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長は「ユニクロはインド市場でのビジネスに注力する。多様性と文化を誇るデリー首都圏での3店舗の同時期オープンは、ユニクロの世界戦略にとって重要な一歩。今後、インドの人々に手頃な価格で高品質なLifeWear商品をお届けすることを大変楽しみにしている」とコメントしている。
ユニクロは2019年5月末時点で、国内はフランチャイズを含め822店、海外は1351店を運営している。海外事業の要は687店を出店する中国本土であり、店舗数では韓国(186店)がそれに続く。中国本土事業は景気減速の中にあっても絶好調が続いており、「19年3~5月の中国本土の業績は、引き続き2ケタの増収増益となった」(岡崎健ファーストリテイリンググループ上席執行役員最高財務責任者)。インドの人口は17年時点で13億3918万人(世界銀行調べ)と、中国(13億8639万人)に次いで世界第2位。ユニクロはこの間、スウェーデン、デンマークなど、LifeWearの理念とも共通する部分の多い北欧などへも進出し、各1店を運営しているが、インド進出によって大幅な売り上げ拡大をめざす。