日本航空(JAL)は、2020年4月に導入する新制服のデザインを発表した。航空運輸事業の全部門を一新するもので、目玉となる客室乗務員と地上接客部門のデザインは、ウィメンズブランド「エズミ(EZUMI)」の江角泰俊デザイナーが手掛けた。整備士とハンドリングスタッフの作業着は、デサントジャパンとモンベルがデザインを担当した。
江角デザイナーが掲げたテーマは“ハイブリッドモダンビューティ”。袖口にリブ素材を用いたり、袖をシフォンで切り替えたりと、異素材の組み合わせによってハイブリッドを表現した。同社初となるパンツルックやワンピースも用意し、現代の多様性のニーズにも応える。一方、ロゴマーク「鶴丸」から連想した曲線的なパターンメイキングを一部の制服に落とし込んだり、コーポレートカラーであるダークネイビーとレッドを基調にしたりと、昔から親しまれている企業イメージも大切にした。
航空会社の制服は、動きやすさや安全性など、高い機能性が求められるため、「デザインでいかに攻めるかがポイントだった」と江角デザイナー。制服の一部には航空業界では珍しいバルーンスリーブを採用した。業務の動きに最適な袖のボリューム・形状を研究するなど、「デザインと機能性を両立させた」。
そのほか、デサントはスポーツウエアで培った機能性や立体シルエットを、モンベルは登山やアウトドアウエアに用いている防寒・防風機能を制服に落とし込んだ。
江角デザイナーは1981年広島県生まれ。宝塚造形芸術大学やイギリス・ロンドンのセント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)でファッションデザインを学び、「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」や「アクアスキュータム(AQUASCUTUM)」で経験を積む。2010年、自身のブランド「ヤストシ エズミ」をスタートさせ、18年にブランド名を「エズミ」に変更。企業ユニホームを手掛けるのはこれで3度目で、15年にフォルクスワーゲン(VLOKSWAGEN)ショールームの女性スタッフの制服を、17年に「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」のビューティアドバイザーの制服を手掛けている。
同社が制服を一新するのは7年ぶり。13年に導入した現在の制服は、デザイナーの丸山敬太が手掛けた。