1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャーに勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、様々な記事につぶやきを添えます。
今日のトピックス「川久保玲が語る『コム デ ギャルソン』の50年」
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読み解きポイント:「その50年は、“日々の作業”と“あらゆるものの毎日”の積み重ね」
ニュースのポイント
1969年に「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」が誕生し、今年で50年を迎える。クリエイションでもビジネスでも常に新しさを探求し、“これまで存在しなかった服”を生み出し続ける唯一無二の存在だ。コレクションの方向性の変化やブランドとしてのさらなる挑戦など、米「WWD」がイサム・ノグチ賞受賞式に出席した川久保玲にインタビューを行った。
AZUはこう読む!
「毎日が同じことに取り組む新しい日の始まりなので、私には過去を振り返ったり数えたりする時間はないのだと思う」「ビジネスのために服を扱うとともに会社をデザインするという気持ちだけは持ち続けている」など、全4ページに渡る最新インタビューは至言の連続。ここで全てを書いたらネタバレになってしまうのと、断片的に発言を切り取るのは、このインタビューにおいては効果的ではないので、是非本紙を手に取っていただきたいです!
きっとこの業界にいる人なら何らかの形で「コム デ ギャルソン」に触れてきたかと思いますが、私のファーストタッチはフランス留学前でした。「せっかくなら日本のブランドを着ていくぞ!」と意気込み、初めて青山店を訪れたのが大学3年の夏。それまでモードとは無縁のミーハーギャルだったので、初めて袖を通したときは正直、違和感しかありませんでした(笑)。
でもその違和感が、右も左も分からずパリを歩く垢抜けない女の子の背筋を伸ばしてくれたのだと思います。そもそも自分自身がこの国においては「違和感」なのだから、違和感満載のチグハグな自分でちょうど良いんじゃないかと。それまでは「可愛い」「流行ってる」という基準で洋服を選ぶことが多かったのですが、その「違和感への擬態」に心地よさを感じた私。まさに私にとって“これまで存在しなかった服”に出合うことができたのです。
そういえば留学中、暇さえあればコレット(COLETTE)に行って服を鑑賞しまくっていたのですが、一度だけ店内で彼女を見かけたことがあります。2階中央に並ぶマネキンに着せられていた「ノワール ケイ ニノミヤ(NOIR KEI NINOMIYA)」をチェックしながら、男性と何やら真剣に話している様子。「神も現場に降りるのだな。いや神だからこそか」なんて、緊張してしまって自分でも驚くほどつまらない感想を抱きました。インタビューの言葉を借りるなら、「仕事とは骨の折れるような日々の作業とあらゆるものの毎日の積み重ねから成り立っている」ということを目撃した瞬間でもあります。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne