ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)が2019年度の卒業コレクションを発表した。431人の卒業生たちが2022年にオープンする同校のイースト・ロンドン・キャンパスの隣にあるステージで卒業制作を展示発表。今回の卒業コレクションは同校における過去最大規模のショーとなり、脱構築的で終末的なスタイルからフォークロアスタイルまでさまざまなデザインが披露された。
7月18日の夜に開催された58人の学生たちによるショーでは、ウィメンズ・ファッション・デザイン・テクノロジー学科の卒業生、チェンユ・リー(Qianyu Li)が生地の扱いの巧妙さを見せつけた。ペリウィンクルブルーとライラックのドレスは、生地を裁断し、折り畳んで寄せ集めることで折り紙のように仕上げられている。
ファッションテキスタイル刺しゅう学科の卒業生、YY・アン(YY Ang)は生地に着目した。マルチカラーのドレスは長いフリンジで強調されており、ピンと張った織物素材の上部にほつれたデニム生地が縫い付けられている。
19日は全ての卒業生たちが1~2点の作品を発表する機会が設けられ、かなりの数の作品が披露されてカオスな舞台となった。パラシュートドレスや地球環境に優しいラテックス素材、ボディーハーネスを強調したコレクションも数多く見られた。
ファッションテキスタイル刺しゅう学科の卒業生、アヌシュカ・パテル(Anushka Patel)はテクニカラー(カラー映画の色彩技術)のドレープデザインを披露し、ファッション・デザイン・テクノロジー学科の卒業生、ジュオユ・ワン(Juo-yu Wang)によるドレスとタキシードを掛け合わせたフォークロア調の作品が後に続いた。
ファッション・パターン・カッティング学科の卒業生、グロリア・ユー(Gloria Yu)は、ドレープデザインのシリーズ作品を発表した。ユーは「集合的無意識(心理学者のカール・グスタフ・ユングが唱えた人間の無意識の奥に存在する個人の経験領域を超えた先天的な構造領域のこと)と‟インポッシブル・イリュージョン(ありえない錯覚、立体的なだまし絵のようなもの)“と呼ばれる折り紙の手法からインスピレーションを受けた」と語った。
ほかにもファッション・パターン・カッティング学科の卒業生、ヌスラト・フセイン(Nusrat Hossain)による、朽ちていく花を模したトラウザーのような実験的デザインの作品や、ファッションデザイン開発学科の卒業生、イムラン・ウパル(Imran Uppal)によるサイケデリックなオーバーサイズのトラックスーツのトップスなどが発表された。