8月2日の「パンツの日」を前に、パンツについて考えるトークイベントが7月27日と28日の両日、東京と大阪の銭湯で開催された。主催したのは、メンズアンダーウエアメーカーのTOOT(トゥート)。枡野恵也社長は「パンツは1日中身につけているにもかかわらず、ないがしろにされがち。年に一度ぐらいは改めてパンツについて考えてみる機会があってもいいのではと企画した。銭湯ならパンツ一丁でトークイベントができるし、(江戸時代には)銭湯は社交の場であり、粋な人たちが集まっていたので、パンツの日にふさわしい会場だと思った」と話す。
東京会場は、都内で初めて炭酸泉を取り入れたことで知られる江東区の「白山湯」。のどかな山里や赤富士のタイル絵を眺めながらゆったり湯に浸かれる昔ながらの銭湯だ。参加したのは、同社ウェブサイトやツイッターなどから応募した約300人の中から選ばれた30人。全員パンツ一丁というストレスフリーな環境の中、銭湯のすばらしさをSNSなどで発信して“銭湯神”の異名を持つライターのヨッピーさんと枡野社長のパンツ談義に聞き入ったりした。
大阪会場は、ラテン音楽とキューバ好きのオーナーが営む大阪市住吉区の銭湯「朝日温泉」。音楽ライブや寄席、普段風呂場でできないことをして遊ぶ“オフロンピック”などのイベントを開催し、地元の子供たちにも親しまれるユニークな銭湯だ。大阪会場も定員30人に対して約130人が応募した。トゥートのファンのみならず、銭湯好きやパンツ好きが、それぞれこだわりのパンツをはいて参加した。
登壇者は、梅田の飲食街「お初天神裏参道」のプロデュサーで格闘家の吉本草彦さんと、マイケル・ジャクソンのダンスでニューヨーカーも驚かせ、ティックトック「Tik Tok」のファンが160万人というパフォーマーのマイケル・ジャクトンさん。鍛えられた肉体美を披露した二人は、トゥートの人気ボクサーパンツとカットオフの新作パンツを着用して現れた。
吉本さんは「今までパンツのことはあまり意識していなかったが、格闘家にとってもどんなパンツをはくかはむちゃくちゃ重要だと思う。体はバキバキでもパンツが半端な人も中にはいる。これからはもっとファッションとしてのパンツを意識していきたい」と語った。
普段はオリジナルのマイケル・ジャクソンの衣装で演じるジャクトンさんだが、この日は特別にパンツ一丁でダンスも披露。「いつものTバックだと、股にくいこんでダンスに集中できなくなることもあるが、トゥートのパンツだとほとんどずれない。いつもより少しキレッキレッに踊れた気がする。パンツのシルエットが響かないのもいいし、ステージ衣装にしたい」と、すっかりファンになった様子だ。
トークショーの最後は、枡野社長がパンツと銭湯に対する持論を披露した。「銭湯好きの人は自分を大事にしようという心意気のある人だと思う。そういう人はパンツにもこだわるし、心の余裕もあるので他人を思いやれる。トゥートはパンツで世界平和を目指している。コンゴのおしゃれ紳士、サプールが、アフリカの子供たちに平和な生き方を示しているように、選択肢が多いことは人の心の持ち様も変えられると思う。ジャクトンさんはダンスと笑いで、吉本さんは大阪の食文化と格闘で、僕はパンツで、これからも世の中の人に喜んでもらえることをしていきましょう」。
同社は7月24日〜8月6日(売り場により期間は異なる)まで、全国の一部百貨店でパンツの日フェアを開催中。また通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」でもパンツの日限定でキャンペーンを行っている。