ワコールホールディングス(HD)は、米子会社を通して女性用インナーウエア企画販売企業のインティメイツ・オンライン(INTIMATES ONLINE以下、IO社)の株式100%を8500万ドル(約92億円)で取得する。同社が今年6月に発表した2019~22年の中期経営計画の海外事業の拡大・成長を加速させる一環とみられる。
同社は国内と比べると好調の海外においても、米国は最も伸び代がある市場と見ており、近年ミレニアル世代の支持を高めつつあるD2C(消費者に対して直接商品を販売する)ブランド「ライブリー(LIVELY)」を運営するIO社を傘下に収める決定をした。
IO社は15年に設立され、自社ECが主要販路だが、ニューヨークやシカゴなどに直営店も運営しており、SNSやデジタルメディアで顧客とのコミュニケーションを深めてきた。顧客のコミュニティーの形成や支援などにおける独自のアンバサダープログラムなどのマーケティング手法が強みだ。同社の18年12月期の業績は、売上高が前期比約2倍の1149万ドル(約12億円)、営業損益は368万ドル(約4億円)の赤字(前年同期は約159万ドル、約1億7300万円の赤字)だった。
ワコールHDは、IO社を傘下に置くことで従来のグループの中心顧客とは異なるミレニアル世代を取り込み、ECやデジタルマーケティングの強化を図る。IO社はワコールHDのインフラやネットワークを活用し、事業拡大を推進することで相乗効果が見込まれる