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デジタルネイティブ世代の心つかむ 美容系動画クリエイター新希咲乃が持つ影響力

 10~20代のリアルなトレンドをとらえることで、“女子が憧れる女子”として美容系動画クリエイター新希咲乃が注目を集めている。ユーチューブのチャンネル登録数は26万人以上で、インスタグラムは6万8000フォロワー、ツイッターは5万3000フォロワー。それぞれのソーシャルプラットフォームの特徴を生かし効果的に情報を発信できるのは、彼女の大きな強みだ。5月にはライフスタイルブランド「ディーホリック(DHOLIC)」のオリジナルコスメライン“バビメロ(VAVI MELLO)”とコラボレーションした「ファーストコレクションアイズ&リップス」を発売しブランドビジネスにも参入した。ブランドも注目するほどの影響力と人気を得ている彼女に迫った。

WWD:動画クリエイターになったきっかけは?

新希:中学生のころから動画をよく観ていて、海外の同い年の動画クリエイター、ベサニー・モタが大好きだったんです。すごくおしゃれに日常を撮った動画を自分で編集して投稿していて、その子の動画が投稿されるのを毎日楽しみにしていました。それを自分もやりたいと思い、大好きな美容をテーマに動画にチャレンジしました。

WWD:動画のテーマはどうやって考えている?

新希:いろんな動画を参考にしているのですが、こうすれば反応がいいだろうな、観られるだろうなとかは考えずに、私が好きなことだけを発信しようと思ってやっています。「これは本当に私が好きなものだから、好きになってくれたら嬉しいな!」という気持ちですね。自分が一番楽しいと思えることをやっていたら、ファンの方にも伝わると思うので。

WWD:どんな動画が人気か?

新希:トレンドを意識したものよりは、崩れない前髪のセット方法などの実際に役立つ情報の反応がいいですね。あと、個人的に意外だったのは私の日常が見られる動画の反応が良かったことです。朝の準備をしている様子を撮った動画なんですけど、パーソナルな部分が見られうれしいっていうコメントも。意外な反応でした。

WWD:フォロワーの傾向は?

新希:10~20代のファッションやトレンドに敏感な女性が多いですね。SNSなどの情報発信にも積極的で、美容はもちろんですが、ファッションへの関心も高い人が多いです。そういったファン層の子たちに向けて“女の子が憧れるような女の子”になれたらいいな、と思って発信する情報も意識しています。今後は少しずつ年齢層の幅を広げていきたいなと思っているので、ユーザーの反応などを見ながらまた違った切り口の動画も増やしていく予定です。最初はやっぱりウケが悪いと思うんです。美容系の情報ばかりだった子が急に料理をしても見られないと思うし……。でも、少しずつでも続けることで一定数のファンが増えていくんじゃないかと思うので、頑張っていきたいなと思っています。

WWD:熱心なファンが多いですよね。やはりファンとの交流は重要?

新希:もちろん!大事にしています。コメントや反応が返ってくるとうれしいし、特別感があるじゃないですか。ファンの方はすごく時間を使って応援してくれたり情報を探してくれたりしているので、恩返しをしたいという気持ちです。コメントなどもポジティブな反応が多く、優しいファンが多いですね。

WWD:今注目しているトレンドキーワードは?

新希:私自身が得意だし好きっていうのもあるんですが、この夏はカラーメイクに注目していますね。カラフルなアイテムがたくさん発売される時期だし、カラーメイクを得意としているクリエイターは少ないので、それを武器にいろんなものをレビューしていろんなカラーメイクを提案していきたいです。
もちろんトレンドも意識しているんですけど、ほかにはない私らしい情報というのも大事にしています。

WWD:「バビメロ」とコラボしたアイテムがとても人気ですね。アイテムのこだわりは?

新希:パーソナルカラーを知ってメイクに生かすのも大切だと思うんですけど、最近はそれにとらわれすぎちゃってる人が多いと感じたんです。でも、やっぱり好きな色やメイクを自由に楽しんでほしくて、このアイシャドウパレットを作りました。紫やピンクなど鮮やかなカラーが多いのですが、実際使ってみたらすごく似合った、良かった、というコメントをいただきました。アイテムへのこだわりもそうなのですが、そういう情報を知ってもらいたくて、引用リツイートなどでフォロワーの方に共有したりしました。そうすることで「チャレンジしてみよう!」って手に取ってもらえればと思って。

WWD:アイテムのカラーネームも個性的ですよね。

新希:“祭”や“夜叉”など、漢字を使った名前にこだわりました。漢字から連想される日本ならではのイメージを込めたかったんです。例えばアイシャドウのパープルを“撫子”って名付けたんですけど、色だけじゃなくお花の美しさのイメージも伝わると思ったんです。

WWD:コラボアイテムの反響はどうだった?

新希:想像以上に反響がありました。ファンの方から始まって、みんなが自分なりの使い方や感想を発信してくれたところから、どんどん広がっていったように思います。あと、男性ファンの方も身近な女性の方におすすめしてくれたり……。一番身近にいるファンの方に自分なりのこだわりや思いを丁寧に伝えることが一番の宣伝かなと思っていて、そうすることで自然と拡散されていくものだと思っています。本当にファンの方の応援が熱くて、感謝しています。

WWD:今後どういった活動をしていきたいですか?

新希:これからも自分が好きなもの、かわいいと思ったものを発信していきたいです。今回はコラボでしたが、いつか自分のブランドを持つのが夢です。コスメはもちろんファッションも手掛けて、トータルビューティを提案でたらいいなと思っています。身に付けることで気分が上がるような、日々の生活の中でパワーが湧いてくるようなブランドをつくりたいです。

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