「ディオール(DIOR)」は7月15日、フランス・パリのシャンゼリゼ通りに新店舗をオープンした。モンテーニュ通り30番地の旗艦店が2021年のリニューアルオープンに向けて一時閉店したことに伴うもので、新店舗のファサードは旗艦店のショーウインドウをそのまま再現している。
新店舗の広さは約900平方メートルで、ウィメンズとメンズのプレタポルテをはじめ、アクセサリー、ジュエリー、さらに食器やホームリネン、ステーショナリーなどを展開する“ディオール メゾン”も取り扱う。
1階には書籍やフレグランス、アクセサリーなどのギフトアイテムをそろえた“驚異の部屋”を設け、アトリエを併設したパーソナリゼーションサービス「ABCディオール」も用意する。“ブックトート”や“ディオール キャンプ”といったバッグやスカーフ、スニーカーなどのアイテムに刺しゅう、スクリーンプリント、デジタルスタンプなどを施すことができ、1時間ほどで仕上がる。
シーズンごとに限定商品を飾るポップアップスペースは現在、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターによる2019-20年秋冬コレクションが並んでいる。壁面にはモンテーニュ通りの旗艦店にはない“トワル ドゥ ジュイ(TOILE DE JOUY)”柄の壁紙をあしらった。これは草花や動物が描かれた織物のプリントで、かつてヴィクトール・グランピエール(Victor Grandpierre)が手掛けた最初のブティックにも使用されたメゾンを象徴する柄である。
また、メゾンを象徴するもう一つの柄“カナージュ”も床や天井の随所にアクセントとして用いた。これはクリスチャン・ディオール(Christian Dior)がオートクチュールのショーで用いたもので、かつてナポレオン3世のために用意された椅子の格子柄に由来している。
1947年にオープンしたモンテーニュ通り30番地の店は過去にも数回リノベーションを行っているが、今回のように全スペースを一時クローズして行う大規模な改装は初めて。