「グッチ(GUCCI)」は10月2日、「グッチ ブルーム(GUCCI BLOOM)」「グッチ ギルティ(GUCCI GUILTY)」に続くアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクター監修による香水シリーズの第3弾、「グッチ メモワール デュヌ オドゥール(GUCCI MEMOIRE D’UNE ODEUR)」を発売する。アイテムはオードパルファム(8600~1万4500円)とシャワージェル(6000円)の2種。
新作は、香りが過去の出来事や感情と結びつき記憶を呼び覚ますもの、さらには未来へと続くものであるとし、ジェンダーや時代を超えるユニバーサルな香りを創作。調香は前作と同様にアルベルト・モリヤス(Albert Morillas)が手掛ける。メインで使われることが少ないローマンカモミールを中心に、コーラルジャスミン、ムスク、サンダルウッド、シダーウッド、バニラが香る、伝統的な香調の分類にはない“ミネラル アロマティック”という新たなカテゴリーを提案している。古代の円柱を思わせる重厚感のあるボトルや、教会の絵画に見られるような星空を表現したパッケージは、「グッチ」のビンテージのフレグランスからインスパイアされたもの。これまでの甘い香り2品とは違い、ファッション同様にノスタルジックでありながら新しい時代も感じられる独特な香りが、“ミケーレワールド”全開だ。
広告キャンペーンは「時代・場所・社会の束縛から自由になること」をテーマに、フレスコ画に描かれた神話的な家族像を表現。撮影はイタリアの中世の古城モンテカルヴェッロ城で行われ、監督に写真家のグレン・ルックフォード(Glen Luchford)を、アートディレクターにクリストファー・シモンズ(Christopher Simmons)を迎えて、メインキャストには英国のボーイズグループ、ワン・ダイレクション(One Direction)のハリー・スタイルズ(Harry Stules)を起用している。
【エディターズ・チェック】
香りそのものやデザイン、価格帯など、隅々までジェンダーレス、若者たちのカルチャー、新しいものと古いもののミックスといったテーマやメッセージが明確に貫かれていると感じました。アルベルト・モリヤスが「なぜ、ミケーレはカモミールを選んだのか。彼はこれまで誰もやらなかったことをやろうとしていたのです。カモミールは世界中で知られている植物です。誰もが一度はその香りを嗅いだことがあるはずです。でも、誰もがカモミールの香りに幼いころの夢や思い出、時を経ても変わらないものを感じたことはなかったのです」とコメントしていますが、確かにカモミールの香水は記憶にある限り出合ったことがなく、「メモワール デュヌ オドゥール」はどこか懐かしいのに嗅いだことはないという不思議な感覚に誘われます。ファッションフレグランスには比較的分かりやすい大衆受けする香りが多い中、異質ともいえるモノ作りにブランドの勢いの一端を見た気がします。