化粧品ECプラットフォームの「ノイン(NOIN)」はこのほど、東京大学大学院情報学環 田中秀幸研究室と「モバイルコンテンツ産業における消費者の認知メカニズム分析」の共同研究を開始した。ECサービスを通して、化粧品業界におけるソサエティ5.0(Society5.0、内閣府が提唱する仮想空間と現実空間の融合により経済発展と社会的課題の解決を両立させる未来社会)の実現を目指す取り組みの一環として行われる。
研究開始の背景には、化粧品のオンライン購入率は約6%(『経済産業省 平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)』から引用)とまだオフラインでの購入が主流となっており、従来の化粧品の商流分析では小売り側の消費者行動分析が欠けていたことがある。そこで、購入品の組み合わせや購買行動プロセスのパターンを解明し、マーケティングや商品開発に生かすために本研究を開始した。
「ノイン」と同研究室は2005年からモバイルコンテンツ産業に着目し、社会情報学の観点から消費者行動に関する研究を実施してきた。これまでの研究には、「セグメント(年代・居住地域)毎の購買性向」「購買パターンの抽出・クラスター分析」「購買順序(先に買われる商品は何か)」「比較分析(何の商品と比較されているか)」「広告ごとの弾力性(需要変化率)」「関心からコンバージョンに至るまでの消費者行動フロー」などがある。すでにメーカー約10社にデータのテスト提供を開始している。