1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャーに勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきを添えます。
今日のニュース「EC、実店舗 アナタの悩み解決します!」
1 / 1
読み解きポイント「消費者が求めているのは“どちらにも寄らない”体験」
ニュースのポイント
毎年恒例のEC特集では“オムニチャネル”をテーマに掲げ、店舗とECの最適な関係を追求している。今年はアパレル企業のEC担当者にアンケートを実施し、システムの課題やオムニ時代の販売員の役割などについて、ECのスペシャリストたちが回答。担当者のリアルな悩みや各社の事例からは、自社のビジネスに役立つヒントが見つかるはずだ。
AZUはこう読む!
O2Oに始まりOMO、さらにはニューリテール(消費者体験を中心としたデータ・ドリブンなリテールモデル)なんて言葉も出てきているので、EC担当は言葉を追うので精一杯ですよね。そんな私たちも「ニューリテールプラットフォーム」を運営しているので、ECやオムニ担当者と話す機会が多いのですが、この特集に書かれているお悩みは、本当によく聞きます(笑)。「社内でオムニ施策が浸透しない……」「館との取り決めが……」「評価軸をどうすれば……」「現場の士気が上がらない……」などなど。こんなさまざまな苦労と努力のおかげでオンラインとオフラインのシームレスな購買体験が可能になっているので、いち消費者としては感謝しかありません!
と、ヨイショはこれくらいにしておき(笑)、「なぜ、こうしたお悩みが尽きないのか?」を考えました。会話の中で感じるのは、「なんでやるか」を明確に設定しきれていないということです。SNS運用に関してもそうですが、「やらなきゃヤバいらしい」という感覚で始めても、目標設定や社内でのECの立ち位置は曖昧のまま。「ECを使って売り上げを伸ばしたいのは当たり前だけど、それ以外に求めるものってなんですか?」と聞きたくなります。そもそも「EC化率◯%」を目標にする時点で、シームレスな考え方ができていないのでは?とも思うのです。
日本は「店頭で物を売る」ことからスタートしたので、後発のリテールモデルであるECはどうしても「追う姿勢」になってしまいますが、本当に必要なのは、消費者が自由に購買体験を選択できる環境です。そのためには「自分のブランドにとって、店頭はどのような役割でECはどの立場か?」を明確にしなければと思います。
そんなこと、言われなくてもわかってるよ!とお叱りを受けそうですが、ECをとにかく伸ばさなきゃと考えている方には、P.11の「ANAP」の事例に書いてある「CPA(Cost Per Action=一人当たりの顧客獲得単価)的に考えると、実はリアル店舗は非常に効率がいい」というのが、何かのヒントになるのかなと思います。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne