花王の2019年1~6月期決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比1.0%減(為替変動の影響を除く増減率では実質0.2%増)の7213億円、営業利益が同4.8%減の863億円、純利益は同8.8%減の572億円の減収減益だった。化粧品事業が2ケタ成長する一方でヒューマンヘルスケア事業などが前年を下回った。
事業部別では、コンシューマープロダクツ事業の売上高が同1.3%増(実質2.0%増)の5959億円。その中の化粧品事業の売上高は同9.3%増の1400億円(実質10.3%増)だった。同社は昨年5月に、グローバルで販売拡大が見込める11ブランド「G11」を選定し投資を集中。特に「キュレル(CUREL)」や「フリープラス(FREEPLUS)」が日本や中国で好調に推移した。いずれのカテゴリーでも伸びているeコマースチャネルとトラベルリテールを強化するとともに、デジタルマーケティングへのシフトを進めたことが売り上げに寄与し、営業利益は同101.3%増の147億円だだった。
スキンケア・ヘアケア事業の売上高は、同1.3%減(実質0.6%減)の1686億円。スキンケアは、「ビオレ(BIORE)」からUVケアの新製品・改良品を日本で発売し、前年同期から売り上げ・シェアを伸ばしたが、天候不順の影響を受けて計画を下回った。また、アジアでは堅調に推移したが、米州は厳しかった。ヘアケアは日本のヘアカラーや米州のサロン向け高級ブランドは好調に推移したが、シャンプー・コンディショナーはマス市場の縮小の影響を受けて前年を下回った。ヒューマンヘルスケア事業の売上高は同8.3%減(実質7.1%減)の1249億円。ベビー用紙おむつは中国の新EC法による転売減少などにより前年を下回った。衣料用洗剤などを取り扱うファブリック&ホームケア事業の売上高は同6.0%増(実質6.1%増)の1623億円だった。
エリア別では、日本の売上高は前年同期に対してほぼ横ばいで同0.6%増の4175億円、アジアの売上高は3.0%増(実質5.9%増)の1050億円、米州の売上高は同8.7%増(実質8.4%増)の445億円、欧州の売上高は同5.7%減(実質1.1%減)の289億円だった。
19年12月期の売上高は前期比4.8%増の1兆5800億円、営業利益が同8.3%増の2250億円、純利益が同5.4%増の1620億円の増収増益を見込む。