ナイキ(NIKE)は7月31日、新たなクッショニングソール“ジョイライド(JOYRIDE)”を搭載した新作ランニングシューズ“ジョイライド ラン フライニット(JOYRIDE RUN FLYKNIT)”の発表会を韓国・ソウルで行った。発表会には開催国である韓国をはじめ、日本、インド、メキシコなどのプレス関係者やランナーら約80人が参加し、プレゼンテーションのほか“ジョイライド ラン フライニット”を履いてソウルの街を走るランニングセッションも実施された。
ナイキはこれまで、ランニングを“フリー(FREE)”の「STRONG(鍛える)」、“ズーム(ZOOM)”の「FAST(スピード)」、“リアクト(REACT)”の「LONG(長距離)」の3つのカテゴリーで区分してきたが、このたび新たに4つ目のカテゴリーとして“ジョイライド”の「EASY(快適)」を設けた。「EASY」と謳う通り、“ジョイライド”はランニングに対して“ツラい”などのネガティブなイメージを持っているエントリーユーザーをメインターゲットに、多くの人たちにもっと気軽にランニングを楽しんでもらいたいという思いから開発された。
“ジョイライド”は他3カテゴリーの中身の詰まった肉厚のソールユニットとは異なり、“エア(AIR)”のようなソールユニット内に無数のビーズが詰まっているのが最大の特徴だ。ソールユニットはポッドと呼ばれる4つの袋で構成され、メンズの28cmで片足約1万1000球、ウィメンズの25cmで片足約9000球のビーズが詰まっている(ハーフサイズごとに球数は変化)。ビーズは1つ約1mm程度で、ゴムの性質を持つ熱可塑性樹脂のTPE(サーモプラスチック・エラストマー)を素材に使用することで着地時のエネルギーリターンに優れ、ポッド内でビーズが動くため衝撃も和らぐ。4つのポッド内のビーズの含有量はそれぞれ異なり、可視化されたヒール部分のポッドが50%以上ともっとも多く、これは初心者に多く見られるかかとから着地するヒールストライク走法を想定したためだ。なお“ジョイライド ラン フライニット”にはインソールがなく、ソールユニットと足の間には1枚の布が張られ、走るほどにビーズが使用者それぞれの足の形になじんで変化することでパーソナライズされていく仕組みとなっている。
記念すべきファーストモデルとなる“ジョイライド ラン フライニット”のアッパーは、“ジョイライド”同様に足になじみやすいフライニット製で、フィット感をより高めるため履き口は二重となり、着脱を容易にするためヒールストラップは太い円紐に。シグネチャーカラーはホワイトで、ミントグリーンとオレンジのアクセントカラーがポップな印象に一役買っている。またビーズは、対極にある色が混ぜ合わさった時に大きなエネルギーが生まれるいうイメージからレッドとブルーのブレンドにしたといい、今後カラーバリエーションをそろえていく。
“ジョイライド ラン フライニット”開発の陣頭指揮をとり、プレゼンテーションに登壇したウィリアム・モロスキー(William Moroski)=ナイキ ランニング部門シニアプロダクト・マネジャーは、「ランニングを“ツラい”と思っている人に楽しんでもらえるようにと、芝生の柔らかさと砂浜の足を包み込む感覚からインスピレーションを得て開発した。しかし、“リアクト”と同等の反発力を持ちながらクッション性はそれ以上なので、エリートランナーたちにもウオーミングアップやリカバリーランの際に履いてほしい」と説明した。
プレゼンテーションの前後に行われたランニングセッションでは、“ジョイライド ラン フライニット”を実際に着用してソウルの街中を約5kmほど試走。参加者の間では履いた当初、「(ビーズが足裏になじんでいないため)足の裏の感覚が不思議」との声が上がっていたが、試走後に話を聞くと「数百mも走らないうちにビーズがなじみ違和感は解消された」と驚きの表情を見せていた。
“ジョイライド ラン フライニット”の価格は1万8000円で、8月15日から「ナイキ」アプリや公式サイトで販売される。なお14日まで、原宿店、吉祥寺店、大阪店、福岡店の4店舗ではナイキプラスメンバー限定で、先行体験することができる。