都心の百貨店はどんどん高級化している。そのターゲットは世帯年収で1000万円をすでに大きく上回り1500万円に達している店舗もありそうだ。そうした店舗で求められるのは、やはり「贅沢なゆとり」を感じさせるムードや品ぞろえだろう。私がニューヨークの百貨店でシャンパンのサービスに驚いたのは1990年初頭だが、2013年に伊勢丹新宿本店本館2階にシャンパーニュバー「ザ スタンド(THE STAND)」が登場した時も驚いた。場所は2階の婦人服と日本一と言われる靴売り場をつなぐところ。あれから6年経っても、このバーがなかなか盛況なところを見ると、日本も変わったと思う。
その二番煎じではないが、今年3月にリニューアルオープンして随時手を加えている阪急メンズ東京の3階に、イタリア製スパークリングワインの最高峰である「フランチャコルタ(FRANCIACORTA)」のバーが7月31日に登場した。伊勢丹新宿本店がフランスのシャンパーニュバーならば、阪急はイタリアのフランチャコルタという具合である。また伊勢丹新宿本店が婦人服フロアに構えているのに対して、こちらはメンズの館というのも対照的だ。北イタリアのフランチャコルタ地方で瓶内2次発酵によって生産されるフランチャコルタは、シャンパーニュに匹敵するクオリティで手頃な価格が威力だ。生産地名をスパークリングワインの呼称にすることが許されているのは、ほかにフランスのシャンパーニュとスペインのカバ(CAVA)があるだけだ。
コンテンポラリーなスタイルのバーには、特別にセレクトされたフランチャコルタのさまざまなブランドの「ブリュット」「ロゼ」「サテン」「ドサージュ ゼロ」(補糖なしの醸造)「リゼルヴァ」などのカテゴリーを提供する。ソフトドリンク、フードもある。
メニューはフランチャコルタ(グラス、ブリュット)1200円~、生ハムグリッシーニ1000円、クロスティーニ(リエットとドライトマトのせ)800円、ナッツ500円、チョコレート500円、カボスビール500円、コーヒー(菓子付き)800円、ブラッドオレンジジュース(菓子付き)800円、サンペレグリノ(小)500円(中)700円。