百貨店大手5社の7月度売上高(既存店ベース)は、前年同月比0.9%増の阪急阪神百貨店をのぞき、4社は前年実績を割り込んだ。三越伊勢丹が同4.4%減、そごう・西武が同2.6%減、大丸松坂屋百貨店が同3.6%減、高島屋が同1.4%減だった。前年に比べ日曜日が1日少なかったことに加え、梅雨明けが昨年より大幅に遅れたことによる降雨日数増や日照不足・低温などの影響で各社共に夏物ファッションが低調、これまで以上に足を引っ張った格好だ。
唯一、前年をクリアした阪急阪神百貨店は、セールが低調だったものの、夏物の新作や秋物の先行商材が人気のプロパー商品が好調に推移。阪急本店は、インバウンドによる免税売上高が好調(同17%増)、海外ブランドのバッグがけん引した一般品(15%増)、化粧品が好調だった。各社共に、時計・宝飾品など高額品は引き続き動きはよかった。
一方、衣料品は梅雨明け後の2〜3日でTシャツやカットソーなどが盛り返し、先物買いのジャケットやコートに動きがあったが、梅雨明けまでは全般的に停滞した。婦人服では三越伊勢丹の基幹3店舗(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)が同18.9%減、伊勢丹新宿本店で同22.8%減と大幅に落とした。そごう・西武は同約10%減、高島屋は同8.8%減、大丸松坂屋は同2.6%減だった。紳士服は伊勢丹新宿本店がリモデル効果で同2.7%増と前年を上回ったが、ほか前年を下回る百貨店が多かった。
免税売上高は大丸松坂屋が同13%増、そごう・西武が前年並み、高島屋が同0.4%減、三越伊勢丹は、三越銀座店、三越日本橋店などは前年プラスだったが、伊勢丹新宿本店をはじめ全体で前年に届かなかった。
インバウンドの不調は好調だった化粧品の売り上げにも影響する。伊勢丹新宿本店の化粧品はインバウンドのマイナスが響き全体で同約10%減、高島屋はインバウンドが同6%減となり全体で同3%減だった。そごう・西武の化粧品は、全体として暑さの影響でスキンケアの買い替え需要の低迷などで同4%減だった。