大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。
今日のニュース:P.4「日本にもオフプライスストアの波」
読み解きポイント「可処分時間をつかむ」
ニュースの要約
大手アパレルのワールドがオフプライスストア事業に参入。ブランドやメーカーが抱える余剰在庫を買い取って正価の50-70%オフで販売する。シーズン終盤の値引き、ファミリーセール、アウトレットでは対応しきれない各企業の状況を見て、メーカーの枠を超え、再循環する仕組みを構築。先行する米国では、国の枠を超えて、世界中のブランドとの調達網が構築されている。
CKRはこう読む
「495平方メートル」。ワールドが都心近郊に出店するオフプライスストアの広さです。バスケットボールのコートより、少し大きな広さといったところでしょうか。
「イケア(IKEA)」も2020年春、初の都心型店舗を原宿駅前に構えます。米国のオフプライスストア「ロス(ROSS)」も、今ではワイキキのど真ん中にショップを構えています。
店舗サイズも手頃。郊外型でなく都心型。商品構成も、さまざまなブランドの実用品からレアな残品まで幅広い。しかも毎日オフプライス。
気合いを入れて期間限定のセール、遠方のアウトレットに出かけるスタイルとは対照的に、日々の生活動線の中で、ふらっと立ち寄り、宝探しを楽しむスタイル。
隙間時間に、スマホでニュースやSNSを見る感覚に近いショッピング体験になるかもしれません。
従来のアウトレットストアの来店頻度が「年1〜2回」のところを、ワールドは「年6〜8回」と想定しているようですが、場所によっては月1回以上の頻度を実現する店舗が出てくる可能性があります。
「人の可処分時間をどれだけつかむことができるのか」という視点に立ったとき、衣料品、雑貨を取り扱う業界にとって、都心型オフプライスストアは、新しい答えの一つになるかもしれません。
CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中