大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。
今日のニュース:低迷するジーンズ業界 突破の合言葉は「シンプル回帰」
読み解きポイント「誰もが語りたくなる」
ニュースの要約
世界的にジーンズが売れない。そこで「WWDジャパン」は次なるトレンドを探すため、デニムの生まれ故郷であるアメリカ西海岸で取材。歴史あるリーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS)は、アーカイブの体系化による次期モデルのデザインや、レーザー加工で経年変化をカスタマイズすることに取り組んでいる。ファーストリテイリングは洗い加工の水を極限まで循環させサステイナブルを追求している。また、ビンテージ市場で何が動いているのかも調査。
CKRはこう読む
「501」。誰もが知る「リーバイス(LEVI’S)」のロットナンバーです。製造工場やラインを特定する番号で、本来は売上管理などに使用します。ジーンズの世界では、愛称として親しまれているのが面白いです。
“501”が誕生したのが1890年。19世紀のアメリカには当時のヨーロッパと違い、階級がありませんでした。製造業は、同じ品質の商品を大量に生産するようになります。規格化、標準化の始まりです。
規格化されたジーンズを評価し、ちょっとした違いに目をつけたのが日本人です。「革パッチ」「ビッグE」「XX(ダブルエックス)」「V字ステッチ」「縦落ち」「フレアー」「スキニー」。ジーンズに大きな価値が生まれたヒントがここに隠されています。
「誰でも分かる見た目の部分で、何が良いかを一言で表現する」「誰もがジーンズを語り出す」。その結果、規格化された商品にストーリーが生まれます。そこに新しい価値が創造されるのです。
ジーンズは決して機能的であるとは言えません。夏は暑いし、冬は寒いです。機能を超越するストーリーが存在するところが、ジーンズの強みなのではないでしょうか。誰もが語りたくなる、分かりやすい表現を生み出すことが、低迷するジーンズ業界を救うのかもしれません。
CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中