フェイスブック(FACEBOOK)は、傘下の人気アプリ「インスタグラム(Instagram)」と「ワッツアップ(WhatsApp)」の名称をそれぞれ「インスタグラム フロム フェイスブック(Instagram from Facebook)」「ワッツアップ フロム フェイスブック(WhatsApp from Facebook)」と変更して傘下であることを明確にし、ブランドを再構築するようだ。
同社の2019年4~6月期決算によれば、「フェイスブック」は15億9000万のデイリーアクティブユーザーを、24億1000万のマンスリーアクティブユーザーを抱える巨大プラットフォームで、「インスタグラム」を12年に、「ワッツアップ」を14年に買収している。
一方でフェイスブックは、個人情報の流出に関して米連邦取引委員会(FEDERAL TRADE COMMISSION)に50億ドル(約5300億円)の民事制裁金を支払う見通しとなっているほか、独占禁止法に違反する行為の有無についての調査も受けている。こうした中で、両アプリとの“つながり”を強調することは得策なのだろうか。情報筋によれば、フェイスブックは「インスタグラム」と「ワッツアップ」に対してユーザーが持つポジティブなイメージが、親会社のイメージアップにつながっていないことに不満を持っているという。
買収後も、「インスタグラム」と「ワッツアップ」はフェイスブックとは健全な距離を保ち、同社のスキャンダルに巻き込まれずに済んでいた。しかし、ジャン・コウム(Jan Koum)=ワッツアップ共同創業者兼最高経営責任者(CEO)が18年4月に、ケビン・シストロム(Kevin Systrom)=インスタグラム共同創業者兼CEOとマイク・クリーガー(Mike Krieger)同共同創業者が18年9月に相次いで辞任したのは、いずれもフェイスブックが干渉を強めていることを嫌ったためだといわれている。