ヘンケル(HENKEL)はカスタマイズヘアカラー企業のイーサロン(ESALON)の株式の51%を取得した。買収額は明らかになっていないが、イーサロンによると同社の2018年度の売上高は3000万ドル(約31億円)だったという。ヘンケルにとって、テクノロジーおよびD2Cプラットフォームを手に入れることになる。なお、フランシスコ・ギメネズ(Francisco Gimenez)=イーサロン創業者および同社の経営トップはそのまま残る。
「イーサロン」は2018年に大手ドラッグストアのCVSに進出したものの、ビジネスの大半はオンラインのD2Cで行われてきた。オンラインでアンケートに答えるとその人に合わせたヘアカラーが製作されるサービスで、サブスクリプションにも対応する。イェンス・マーティン・シュヴェルツラー(Jens-Martin Schwarzler)=ヘンケル エグゼクティブ・バイス・プレジデントは「今回の買収でデジタルビジネスを強化する狙いだ。また、最近加速するパーソナライズトレンドも取り入れることができる。協業で得たノウハウなどを従来のビジネスにも生かせると考えている」とコメント。
ヘンケルはほかにも「シュワルツコフ(SCHWARZKOPF)」「ケンラ(KENRA)」「セクシー ヘア(SEXY HAIR)」などのヘアケアブランドを擁する。17年には資生堂からヘアケア企業のゾートス インターナショナル(ZOTOS INTERNATIONAL)を買収した。
イーサロンは10年に製品をローンチしてカスタマイズヘアカラー市場にいち早く参入した。現在市場には素材に重きを置く「マディソン リード(MADISON REED)」や、ロレアル(L’OREAL)が開始した「カラー&コー(COLOR & CO.)」などがある。
【エディターズ・チェック】
カスタマイズやパーソナライズブームがついにヘアカラーにも到来。サロンでは自分の好みや髪質に合わせて美容師が色を調合してくれるので、ある意味昔からパーソナライズされていたと言えますが、自宅ではどうしてもそれができないので、こういうサービスが続々と登場するのも納得です。特に欧米では日本よりも多様な髪色や髪質の人がいるので、あらゆるニーズに応えられるのではと期待が高まります。サブスクリプションもできるので、短い周期で染めるニーズが高い白髪染めにもよいのではないでしょうか?