ファッション

「マルニ」出身トリオによる新ブランド リステアでインスタレーション

 「マルニ(MARNI)」創業デザイナーであるコンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)のもとで経験を積んだ3人によるウィメンズブランド「コルヴィル(COLVILLE)」は、8月16日まで東京・六本木のセレクトショップのリステア(RESTIR)でインスタレーションを開催している。

 2018年にスタートした「コルヴィル」は、英国版「ヴォーグ(VOGUE)」のファッション・ディレクターとして活躍し、「マルニ」のクリエイティブ・コンサルタントを務めてきたルシンダ・チェンバース(Lucinda Chambers)と、「マルニ」でウィメンズウエアの責任者を務めてきたモリー・モロイ(Molly Molloy)、そしてメンズウエアのデザイン・ディレクターを務めたクリスティン・フォルス(Kristin Forss)の3人が立ち上げた。デザインはカラフルで大胆なテキスタイルが特徴的。ドレスをはじめ、古着をアップサイクルしたアウターなど自立した女性に向けた日常着がそろう。

 リステアでのインスタレーションでは、ルシンダ、モリー、クリスティンそれぞれの個性をスタイリングで表現した展示と、ビンテージのラグやインスピレーション源となった映像なども見ることができる。特別な展示を行う3人にデザインのこだわりや今後の目標などを聞いた。

WWD:3人は「マルニ」を通して出会ったと聞いたが、お互いの第一印象は?

ルシンダ:モリーには会う前から、いろんな人から素敵なウワサを聞いていたわ。それで連絡を取って「一緒にお茶でもどうですか?」と誘ったの。会ってからは意気投合して、一緒に働きたいと思ったのを覚えている。

モリー: 2005年の話ね。ルシンダの家で紅茶をいただきながら、ポートフォリオを見てもらっていたら、「『マルニ』のウィメンズのデザインチームで働いたらどう?」と勧めてくれた。その瞬間が私たちの友情の始まりで、クリエイティブな共同作業の始まりでもあったと思う。その後、「マルニ」チームにあいさつするためにミラノを訪れた初日の夜にクリスティンと知り合ったわ。スパークリングワインを飲んで、酔っ払って、とても楽しい時間を過ごした。それ以来、私たちは友達であり、仕事仲間になったのよね。

ルシンダ:私もクリスティンと初めて会ったのはミラノだったわ。一目見て、素晴らしいファッションセンスの持ち主だと思ったの。エフォートレスでかっこよくて。今やクリスティンは私のオシャレのご意見番のような存在ね。

クリスティン:ルシンダは私が「マルニ」に入ったときから現場で活躍して、いつも刺激を与えてもらっていたわ。モリーとは「マルニ」で出会ってすぐに親友になったけど、今も一緒にいると笑いが絶えなくて、尊敬もし合える仲なの。

WWD:「コルヴィル」でのそれぞれの役割は?

ルシンダ&モリー&クリスティン(以下、LMK):全て共同作業と言えるわ。時と場合に応じて、それぞれが異なる能力を発揮し合うことがブランドの強みになっていると思う。友人と仕事をしているということも大きな特徴の一つ。ブランドでもあるけれど、「コルヴィル」というコミュニティーを作っているような感覚でもあるわ。

WWD:「コルヴィル」の名前は、画家のデイヴィッド・ホックニー(David Hockney)が1970年代に暮らしていた西ロンドンの通り、コルヴィル・テラスに由来するそうだが、なぜこの名前にしたのか?

LMK:私たちがコルヴィル・テラスのエリアが大好きで、ホックニーの大ファンでもあるから。それに3人とも“COLVILLE”の響きが気に入っていたのよ。

WWD:ブランドをスタートして1年を迎えた。すでに定番化した商品はある?

LMK:私たちは毎シーズン、アップサイクルを取り入れることを考えているなかで、最初の商品だった古着を用いて作ったボレロ“アップサイクルド スリーブ”が一番人気。どんな服にも合わせやすいところもおすすめよ。幸いなことにコレクションの中でも、打ち出したい象徴的なアイテムが好評でうれしいわ。

WWD:カラフルな色使いや柄が印象的だ。デザインのこだわりは?

LMK:鮮やかなプリントはブランドが大切にしている要素の一つ。私たち3人が大好きな色遊びを取り入れているわ。また、何通りにも着回せることも意識しながらデザインしているのもこだわっていること。

WWD:今回のリステアで開催しているインスタレーションについて教えて。

LMK:3体のマネキンを使って、私たち3人を表現したわ。今季の商品の中からそれぞれが「私だったらこう着るよね」と各自のお気に入りのスタイリングを組んでいる。「コルヴィル」は3人の個性から成り立っているので、展示からブランドのエネルギーが感じられると思うわ。

WWD:今後メンズ・コレクションを発表する予定は?

LMK:今後発表を計画している。「マルニ」で優秀なメンズデザイナーを務めてきたクリスティンがメンバーにいるので、作らない理由はないもの。

WWD:今後の目標は?

LMK:「コルヴィル」は設立当初から独特な視点を持って、お客さまに提案したいと思っている。コラボレーションも積極的に行い、将来的に家具や食器などインテリアにも広げていきたい。

■Colville:Installation
会期:8月9〜16日
場所:リステア 2階
住所:東京都港区赤坂9-6-17

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。