1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャーに勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきを添えます。
今日のニュース:P.4「日本にもオフプライスストアの波」
読み解きポイント「在庫捌けるし安く買えるし、ブランドも消費者もWin-Win?」
ニュースのポイント
事業者が多数のブランドの余剰在庫を買い集めて値引き販売する「オフプライスストア」をワールドが展開する。米国では百貨店を凌ぐ巨大ビジネスに成長しているが、日本ではブランドイメージや既存流通への配慮、商習慣の違いなどが理由で開発が遅れていた。9月中旬さいたま市に1号店を開いたのち、都心近郊の駅周辺やECへの出店も視野に入れている。
Azuはこう読む!
新品が安く買えるなんて、消費者にとっては嬉しいこと!余剰在庫をオフプライスストア事業者にまるっと買い取ってもらえるならアウトレットで自力で売る手間が省けて、ブランドやメーカーにとっても良い話ですよね。こりゃWin-Winだ……と消費者目線では喜べます。でも、「余剰在庫」というのが気になる。もう作ってしまったものを焼却処分するわけにはいかないから値引き販売は仕方ないかもしれないけれど、あっちもこっちも「サステイナブル!」「エシカル!」と叫ぶ中で余剰在庫販売が絶好調なんて。
私はモノを作って売るビジネスをしていないので、在庫を積む難しさを肌で感じていないから気軽に言えるのかもしれませんが、このビジネスモデルを今後展開していけるほど余剰在庫って生まれてるんだ……と改めて驚きました。これが生まれる時点でアパレル業界の「サステイナブル」は、「持続可能性」という意味ではないのかなと思うほどです。
「オフプライスストア」というビジネスモデルとサステイナビリティが直結しているとは言及されていませんが、「バーバリー(BURBERRY)」の在庫焼却事件以降、アパレルの余剰在庫について世界の目が厳しくなっているのは確かです。余った服を最終的に消費者の手に行き渡らせることが、どの立場に立つと正しく見えて、どこから見ると矛盾に映るのか。ファッション業界の片隅にいる身として、考えさせられるニュースでした。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne