1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャーに勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきを添えます。
今日のニュース:P.7「ワールドが若手デザイナーを支援する新施設」
読み解きポイント「包括的支援の中にビジネスは含まれるのか?」
ニュースのポイント
ワールドが若手デザイナーの支援を目的としたワーキングスペースを表参道に開設。CAMPFIREの新会社bigが主催するファッションコンペ「ビッグ デザインアワード」受賞者と応募者15ブランドを対象に、施設を無償で提供する。選ばれたブランドは工業用ミシンやトルソー、社内のフォトスタジオ、プレスルームを利用できるなど、包括的な支援を受けることができる。
AZUはこう読む!
日本にも歴史的なファッションアワードがいくつかありますが、「ビッグ デザインアワード」は次世代を担う新しい芽の発見から育成までを中長期的に見てくれる“ホーム”のような存在になってくれることを期待しています。ビジネスチャンスに疎く経験が浅い若手ブランドにとって、機材や技術指導などモノづくりのサポートだけではなく、PRや商品撮影、ECの開設といった販促面でのサポートまであるのは、とても心強いのではないでしょうか。
全てをデザイナーが一人でこなすのは限界があるので、この先重要になるのは「誰と組むか」です。ベンチャーにいると特に肌で感じるのですが、規模の小さい組織だからこそ一人一人の役割は幅広く、さらに責任は重く(笑)。いくら資金があっても、結局は人で会社の未来は決まります。「無理言うなよ……」と日々焦りながら「でも、事業拡大のためなら」と奮闘しますが、本音をいうと専門分野は専門家に任せた方が良いんです。
ブランドだってベンチャーと同じだと思うので、今後大きくしたいなら、デザイナーが自分の役割であるクリエイションに集中できるよう、ビジネス面でのパートナーやメンターをいち早く見つけることが重要です。CFO(最高財務責任者)的立場なのか、PRやマーケター、もしかしたらエンジニアなのか……?初速を最大化させるのに最も必要な役割はブランドによって異なると思いますが、「ビッグ デザインアワード」の包括的な支援の中に“ファッション・ビジネス・マッチング”なども含まれていたら素敵だなと思いました。
ハイジュエリー特集2019 ハイジュエリーの常識を揺さぶる「グッチ」の本気度
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne