高島屋は、今月25日付で閉店する予定だった中国の上海高島屋の営業を継続すると23日に発表した。清算する予定だった現地法人、上海高島屋百貨有限公司も存続することになった。高島屋は「家主からの支援および上海市長寧区の協力によって、事業採算性が大きく高まるめどが立ったため」と説明するが、閉店の発表が覆るのは異例だ。
同店は2012年12月に売り場面積4万平方メートルのフルライン型百貨店として開業。出店エリアの周辺開発が当初計画よりも遅れたことや、販管費の高止まりもあって営業赤字が続いていた。高島屋は家主との間で家賃の減額交渉を進めていたが、折り合わず、店舗の閉店と現地法人の清算を今年6月25日に発表した。
同社によると「閉店を発表後、取引先やお客さまなどから存続を望む意見が多く寄せられていた」という。家主も条件面での支援を打ち出すに至り、営業を続けられる見通しとなった。ただ、周辺開発の遅れによる来街者の伸び悩みや、中国の消費者のECへの移行など、同店を取り巻く厳しい環境には変わりがない。黒字化に向けた課題は山積している。