勤務時間中に適切な休憩時間を与えられなかったとして、アマゾン(AMAZON)の物流倉庫で働く従業員らが同社を提訴している集団訴訟についてカリフォルニア州連邦裁判所は8月19日、従業員らの休憩時間中の通話やメール、メッセージアプリ、SNSの利用履歴を提出するよう命じた。
原告は同社のカリフォルニア州にある物流倉庫で働く複数の従業員だ。提出を命じられたのは原告の代表になっている7人の従業員。提出にあたって、電話番号やメッセージの内容といった個人情報を編集することは認められた。バーバラ・マコーリフ(Barbara McAuliffe)下級判事は、時給で働くアマゾンの労働者は作業時間中に電話の使用を禁じられているため、従業員らが情報を提出することが実際の労働時間や勤務中の休憩時間を特定するのに有効だと判断した。また、電話番号やメッセージの内容などを編集して提出することを許可したことで従業員らのプライバシーについても十分に配慮していると説明する。
アマゾンと従業員の双方の代理人弁護士からはコメントを得られなかった。
従業員らの個人情報の提出はアマゾン側からの要求だった。これに対して原告は、本件が集団訴訟であることから多数の労働者が対象になることを指摘。また、このような個人情報の提出は行き過ぎた要求だと反論した。加えて原告は、アマゾンによるタイムカードの記録があれば実際の休憩時間を証明する証拠としては十分だと主張していたがこの訴えは認められなかった。