1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、様々な記事につぶやきを添えます。
今日のニュース:P.4「消費増税 価格をめぐる『心理戦』」
読み解きポイント:「はじめての痛い増税」
ニュースのポイント
10月1日の消費税増税を前に、各社が対応を迫られている。H&Mジャパンは増税後も価格を据え置き、値札についても現状の税込表示を維持。実質的には値下げになるため、競合他社との比較で価格競争力を高める。コストパフォーマンスを武器とするSPA各社の対応はさまざまで、増税の波を味方につけるのか固く守り抜くのか、消費者の購買心理をいかに掴むかの戦いになりそうだ。
AZUはこう読む!
今回の価格据え置きは「長期的に日本で成長していくためのお客様への投資」と記事中でルーカス・セイファート(Lucas Seifert) H&Mジャパン社長は語っています。このH&Mジャパンの決断は、消費者としては嬉しいもの。そしておそらく、値札や表示を変更する手間を考えると、従業員さんにとっても混乱がなく安心の決断だったのではないでしょうか。この2%が後ほどどれだけ響くかは、まだ消費者もブランドも分かりませんが……。
他SPA企業は本体価格+税表示を継続したり、値札が税込みのものは本体価格の値下げで増税分を相殺したり、一斉に新税込表示に切り替えたり、対応は各社さまざま。ちなみに私たちはプラットフォーマー側なので、各社の対応に合わせる形で表示価格を変更します(現在は税込価格表示)。一律で変われば良いのですが、例えばアイテムによって据え置きなのか税込なのかが異なってくると……(汗)。他ECサイトはどのような仕組みになっているかわかりませんが、10月以降の価格表示対応のクレーム等を考えると、今から冷や汗が出てきます。特に個人でECを運営しているところは確認漏れなどありそうなので、もし私が気づいたらこっそり連絡しようと思います。怒らず、優しく。
2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた時は、まだ大学4年生でした。実家暮らしでのびのび生きていたので個人の財布単位では大きな打撃を感じず、「バイト先のお店で値札を変えたなぁ」くらいの記憶しかありません。そりゃそうです。自分のお財布から出ていくお金なんて、せいぜい洋服代かおやつ代くらいだったんですから。
時は経ち、令和元年。流れに流れた10%増税の壁と、いよいよ向き合う時がやってきました。トイレの洗剤から猫のエサまで各種生活費を自分で払うようになった今、この数%の重みをはじめて感じています。そして、この税金の使い道を決めるのも私たち自身だったのだと、先月行われた参院選に想いを馳せたり……。
増税前に駆け込みショッピングをするつもりでしたが、パリ行きのチケットを買ってしまったので、この冬は30ユーロ(約3300円)くらいで買える古着のコートを楽しむつもりです。
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Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne