経営難の「トップショップ(TOPSHOP)」「トップマン(TOPMAN)」などを擁する英アルカディア・グループ(ARCADIA GROUP以下、アルカディア)は、2018年6月に了承された再建策に不服を申し立てていたアメリカでの店舗の家主らと合意に至ったと発表した。
イアン・グラビナー(Ian Grabiner)=アルカディア最高経営責任者は、「建設的な対話の結果、不服の申し立てが取り下げられたので、再建策の全項目を実行できるようになった。小売業界にとって厳しい環境が続いているが、再建戦略に沿ってグループ全体を立て直していきたい」と語った。
アルカディアは経営破綻の危機に直面していたが、同社を所有する大富豪のフィリップ・グリーン(Philip Green)卿の妻で同社の主要株主であるグリーン卿夫人が私財を投じて救済したため、債権団は店舗の閉店、従業員の解雇、建物賃料の値下げ交渉、経費削減などが盛り込まれた再建策に合意していた。しかし、アメリカの店舗の家主である米不動産会社ボルネード(VORNADO)は、再建策は不透明であり、同社の利益を損なうとして不服を申し立てていた。
再建策の一環として、イギリスとアイルランドで展開している566の売り場のうち23カ所を閉める可能性があり、194カ所で賃料の値下げを交渉する。「トップショップ」と「トップマン」のオックスフォードサーカス旗艦店を含むその他349カ所は営業を続ける。アメリカで展開している11店の「トップショップ」は、今回の合意を受けて全て閉店される可能性があるという。今後は、米百貨店ノードストロム(NORDSTROM)などへの卸やECを強化して業績を改善したい考えだ。