米ブルームバーグ(BLOOMBERG)は8月28日、「フォーエバー21(FOREVER 21)」が日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の申請を検討していると複数の関係者が明らかにしたと報じた。
「フォーエバー21」は2014年頃から経営状態の悪化が伝えられ、過去にも資金調達を行ってきた。現在、同社はおよそ5億ドル(約525億円)の動産担保融資による債務を抱えているほか、商業施設に多数の大型店を出店していることによる高額の賃料などの間接費が経営の大きな負担となっている。ECの台頭や嗜好の変化によって、主な顧客である若年層が商業施設に足を運ばなくなっていることも売り上げの減少につながった。こうしたことから、今回は追加資金の貸し手候補との交渉が行き詰まっており、焦点は11条の申請に向けたつなぎ融資(DIPファイナンス、経営陣を残しての会社再建に向けた融資)の確保に移っているという。「フォーエバー21」の担当者にコメントを求めたが、返答は得られなかった。
なお、「フォーエバー21」は生産を中国にある複数の工場で行っているが、米中貿易摩擦が激化する中、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がアパレルを含む中国製品に対する10%の追加関税を9月1日から発動するとしていることも、同社の交渉にとって不利な材料だろう。
「フォーエバー21」は、韓国生まれのドン・チャン(Do Won Chang)とジン・チャン(Jin Sook Chang)夫妻が1984年に創業。世界中で700店あまりを展開しているが、2019年5月には中国市場から完全に撤退している。なお、日本では東京や大阪などで14店を運営している。