ストライプインターナショナル(以下、ストライプ)は、ベトナムのシューズ・バッグメーカーのGFTを買収した。ストライプの子会社であるストライプサイゴンが受け皿となり、ストライプはストライプサイゴンの株式の70%を取得。ストライプサイゴンの取締役会議長を石川康晴ストライプ社長が務め、ストライプサイゴン社長は張替努ストライプ常務取締役が務める。買収額は公表していないが、推定20億円という報道もある。
GFTは2007年にベトナムで設立されたシューズ・バッグのSPA(製造小売業)メーカー。シューズ・バッグブランド「バスカラ(VASCARA)」をホーチミン中心にベトナムの各地域に出店しており、19年7月時点の店舗数は132。18年度の売上高は2600万米ドル(約27億円)だったという。
ストライプは17年に、ハノイを拠点とするネムグループのアパレル事業を買収し、ストライプベトナムを設立している。「ネム(NEM)」の店舗数は買収時の44から現在81にまで広がり、「現地の20~40代の働く女性に支持され、ベトナムのアパレル市場でのシェアナンバーワンを確立した」と広報担当者。シューズ・バッグメーカーのGFTの買収により、「ネム」とのグループ間取引拡大を目指すと共に、将来的には2ブランドでの共同出店などで「店舗相乗効果も見込む」。
石川康晴社長はベトナム事業について、19年1月の取材で「絶好調で推移している。日本向けの『アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC&ECOLOGY)』をそのまま持ち込んで苦戦した中国市場の反省が効いている。ベトナムは現地企業を買収し、企画から生産まで、全て現地で行うようにしたことが好調要因」と話していた。ネット環境の整備が遅れている同国では、引き続き実店舗出店で成長を目指す。ストライプは、苦戦していた中国事業についてはアリババの日本法人とアライアンスを18年に締結、インドネシアでは現地EC企業に投資するなど、各国の特性に合わせたマーケティングを進めている。