ビューティ

今秋のフレグランストレンドは“スイート”など3つ ブルーベル・ジャパンの展示会から見る

 近年、注目を集めているフレグランス市場。とりわけ昨年は、ローンチしたブランドも多くあったことに加え、ヘアミスト、ハンドクリームなどの選択肢も広がりを見せている。百貨店で毎年開催されている、秋のイベントも盛況という。百貨店を中心販路に、長年にわたってフレグランス市場をけん引する、香水の輸入販売大手のブルーベル・ジャパンは、シーズンごとにトレンドを分析し発表する。2019年秋は3つのキーワードから香りを演出。そのトレンドから見えてくる、“いま”のムードとはどんなものなのか?今秋の新作から探る。

KEYWORD1:ミレニアルズが好む“スイート”

 近年の大きな潮流に、ミレニアルズ、Z世代へのアピールは欠かせない。この世代に支持されているのが、「スイート」だという。甘美なその香りは、まるでスイートのよう。バニラやキャラメル、プラリネなどをキーに置き、甘く、やさしく包み込む。

ミュウ ミュウ(MIU MIU)

 ブランドの象徴、キルティングデザインの「マテラッセ」を想起させるボトルデザイン。今年の2月に発売されたばかりの新シリーズに新たな仲間が限定で加わる。ベルガモットとアップルブロッサムが弾ける序章から、ラストのシダーウッドへ向かう香りはスイートでハッピー。主題のピンクアンバーを効かせたフローラルアンバーに、眩しいほどの笑顔を見る。

グタール(GOUTAL)

 夜の帳が下りかかる、夕暮れどきから夜明けへと移りゆくころ。その、さまざまな表情を見せる夜に着想した新たな香りのシリーズ。「ナイトバード(特別な夜)」コレクションから新作「エトワール ドゥヌ ニュイ(夜の星)」を発表。この上なく柔らかで官能的なパウダリーがミステリアスな女性像を描く。

KEYWORD2:フローラルにフルーツの香りをプラス“ネオ・フルーティ フローラル”

 今春から多く見られるようになり、今シーズンも注目されているという、「ネオ・フルーティフローラル ノート」。フローラル ノートにあるフェミニンで優美な印象に、みずみずしさを与えるフルーツの香りをプラス。

ブルガリ(BVLGARI)

 大人の女性へと成長を遂げる若い女性の姿をみずみずしく表現する、「ローズ ゴルデア」シリーズの新作。大人の女性にある落ち着きや自信、時代を超越するエレガントな魅力を発信する、前作の「ローズ ゴルデア」に続く「ローズ ゴルデア ブロッサム ディライト」は、大胆なまでのポジティブなエネルギーを感じさせる。マスター調香師、アルベルト・モリヤスの愛するバラの香りが、トップからドライダウンまで貫く構成に自由なフレッシュで快活なスピリットを投影。

コーチ(COACH)

 クコの実とグレープフルーツが弾ける、フルーティ フローラル。その生き生きと描くトップノートに芳醇なピオニーが混じり合いながらピーチと共にまろやかに香る一本。ラストの繊細なホワイトウッドと官能的なムスクが力強く響き、柔らかくて深い香りで包む。

KEYWORD3:“ナチュラル ボーダレス”で多様性をフレグランスに

 ビューティやファッションをはじめ、あらゆる分野で注目されている“多様性”。その潮流はフレグランスにも感じられた今シーズン。シーンやライフスタイル、ジェンダーをも選ばずどこまでも自由に選ぶ楽しさ。この新しいフレグランスのトレンドが明るい未来を感じさせてくれる。

クリーン ビューティ コレクティブ(CLEAN BEAUTY COLLECTIVE)

 2003年のブランド誕生以来、清潔感を香りで独自に表現。18年の15周年を機に、ブランド名を「クリーン ビューティ コレクティブ」に刷新。コレクション名も「クリーン クラシック」へとチェンジした。SIMPLE(シンプル)、TRUSTED(信頼)、CONSCIOUS (配慮)の3つを軸にしたブランディングは、サステイナブルなビーガンブランドとしての哲学を反映。清潔感をシンプルに表現する「クリーン クラッシック」と、厳選した香料を用いる「クリーン リザーブ」の2つのコレクションを抱える。ブランドのデビュー時に発表された「クリーン クラシック オリジナル オードパルファム」が今回のリニューアルを機に、パワフルに進化して蘇った。

グッチ(GUCCI)

 ジェンダーレスで、個性を重んじた新作は、ローマンカモミールを主題にこれまでにない新たな提案「ミネラル アロマティック」を展開する。インド産コーラルジャスミンの花びらや、ムスクなどを溶け込ませた滋味深い一本。シダーウッドがふわりとほのかに香る上品なウッディノートの中で甘く広がるバニラ。古代の円柱を想起させる、アレッサンドロ・ミケーレが見つけた、「グッチ」ビンテージのフレグランスボトルに着想を得たデザインで息を呑むほどに美しい。

渡部玲:女性誌編集部と美容専門の編集プロダクションに勤めた後、独立。2004年よりフリーランスの編集者・ライターとして雑誌やウェブなどの媒体を中心に活動。目下、朝晩のシートマスクを美容習慣にして肌状態の改善を目指している

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