ハナエモリ・アソシエイツは、「ハナエモリ(HANAE MORI)」のデザイナーとしてパリ在住の松重健太を新たに起用し、2020年春夏から「リ・スタート」する。ローンチを記念し、9月5日にパーティーを開催し、鮮やかなオレンジのマーブル柄プリントのサテンドレスや、レースをバイアスにはめ込んだフレアスカート、量感たっぷりのテーラードコートなどを披露。会場には松重のほか、創業デザイナー森英恵の家族らが集まった。
「英恵先生の服は1点1点に物語を感じる。(森英恵はチョウのモチーフを多用し)マダム・バタフライと呼ばれていたが、チョウが羽ばたくような生命力を大事にしてデザインしていきたい」と松重。20年春夏物は販売はせず、20-21年秋冬からが松重によるデザインの本格展開となる。
会場では、森英恵の孫でアーティストの森勉がチョウをモチーフにしたペインティングを披露。森勉の妹の森泉や、母親の森パメラなども集まった。「20年春夏シーズンは(ブランド側と松重とで)お互いに手探り状態だった。既存客からの支持も保ちつつ、彼(松重)の色をどう入れていくか、来秋冬に向けて突き詰めていきたい」とハナエモリ・アソシエイツの佐藤哲郎社長。また、「(森勉をはじめ)森家にも何らかの形で関わっていってもらえたらと考えている」という。
ハナエモリ・アソシエイツは「ハナエモリ」のライセンス権を持ち、婦人服や服飾雑貨、インテリア用品などのメーカーにライセンスを供与している。生産・販売を行っているのはライセンシー各社。婦人服のライセンシーはオールスタイルで、銀座の路面店やホテル内のブティックなど、直営店3店と百貨店インショップを約60店持つ。
松重は1988年生まれ、山口県出身。エスモード大阪在学中に神戸ファッションコンテストで大賞を受賞し、その副賞としてパリ・オートクチュール組合(通称サンディカ)校に留学した。卒業後にメゾンで経験を積む中で、14年にイエール国際モード&写真フェスティバルでグランプリを受賞。15年に自身のブランド「ケンタ マツシゲ(KENTA MATSUSHIGE)」を立ち上げた。