1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」(今回は「WWDビューティ」)で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャーに勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。
今日のニュース:P.4「資生堂がオープンイノベーションプログラムを本格始動」
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読み解きポイント「ファッション業界にもオープンイノベーションが必要」
ニュースのポイント
資生堂は8月29日、オープンイノベーションプログラム「フィボナ」の本格始動を発表。7月に参加企業を公募し、今回は3社が選出された。今後3社は資生堂の既存事業の研究開発との融合や、新たな領域における価値創造に向けてビジネス化を検討する。
Azuはこう読む!
今回選出された3社は、それぞれ全く毛色の違う企業です。3Dデジタル技術などを駆使してさまざまなビジネスのプロトタイプを作るデジタルアルティザン、足元の動きを精緻に計測・解析できるスマートフットウエア「ORPHE(オルフェ)」の開発・販売を行うノーニューフォーク スタジオ、尿を送るだけで栄養状態がわかるパーソナル栄養検査などを提供するユカシカド。それぞれ「ビューティ」と直結しているかと言われたらすぐにはピンときませんが、だからこそ、これからどのような取り組みに発展するのかとても楽しみです。
そういえばオープンイノベーションって、ファッション業界だとあまり耳にしない言葉のような気がします。オープンイノベーションとは、大企業とベンチャー企業がそれぞれのリソースやアイデアを共有し既存事業を発展させたり、新たなビジネスモデルやプロダクトを作ることを指す場合が多いのですが、そもそもファッション業界には(最近は増えてきましたが)ベンチャーが少ないから仕方ないのかなとも、さらにいうと大企業はベンチャーを受け入れるITリテラシー的な部分の基盤が弱いからなのかな、とも思います……。
最近ではワールドがシリコンバレー発のオーダーシャツ専門EC「オリジナルスティッチ(ORIGINAL STITCH)」を、ワコールがミレニアル世代に人気のD2Cアンダーウエアブランド「ライブリー(LIVELY)」の運営会社を買収するなど、ファッション業界の大企業もM&Aに乗り出しています。一方で、もう少しライトな協業というかオープンイノベーション的な動きがあると、ファッションベンチャー陣にとっては「緻密に描けているものの、体力面で実現できていないアイデア」を実現するチャンスになるし、大企業にとっても大きな体では成し得ないクイックな新規事業運営ができるので、業界全体の発展・競争に貢献できるのでは〜などと思っています。いつも偉そうに書いてますが、ベンチャーやITに「業界の侵略者」なんて感情は抱かないでほしくて、「どんどん利用してください!」というのが本音です。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne