「グッチ(GUCCI)」がアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターの監修の下、2019年5月に発売した新リップスティックの売り上げが絶好調だ。ミケーレが同ブランドでメイクアップラインを手掛けるのはこれが初めてだが、生産の全工程に携わった本品は発売後の1カ月で100万本以上を売り上げたという。
新リップスティックはサテン仕上がりの「ルージュ・ア・レーヴ・サテン」を36色と、ルミナスな仕上がりの「同ヴォワール」を18色、そしてリップバーム「バーム・ア・レーヴ」をそろえており、パッケージデザインはゴールド1色やアールデコ・モチーフ、花柄などを展開。価格はいずれも38ドル(約4000円)。初年度の売り上げは1億ドル(約106億円)程度を見込んでいたが、これを大幅に上回る結果が期待できそうだ。
「グッチ」のビューティラインはかつてプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)が手掛けていたが、16年にコティ(COTY)がそのライセンスを買い取っている。ピエール・ロビー(Pierre Laubies)=コティ最高経営責任者は、「『グッチ』の新リップスティックは、アジアの1店舗で1日に3万3000本を売り上げたり、発売後の1カ月で100万本以上も売れたりするなど、信じられないほどの大成功を収めている。今後はフェイスやアイメイクアップカテゴリーなどの新製品も発売する予定だ。また将来的には、『バーバリー(BURBERRY)』など当社が扱っているほかのラグジュアリーブランドにもこの成功体験を生かしていきたい」と語った。
ミケーレは、このリップスティックに先駆けて「グッチ」のフレグランスを再構築しており、18年に発表された「グッチ ブルーム(GUCCI BLOOM)」「グッチ ギルティ(GUCCI GUILTY)」はいずれも好評を博している。また、10月には新作の「グッチ メモワール デュヌ オドゥール(GUCCI MEMOIRE D’UNE ODEUR)」を発売する。
なお、「グッチ」や「バーバリー」を擁するコティのラグジュアリービューティ事業は堅調だが、売り上げ全体の41%を占めるコンシューマー事業がヨーロッパと北米で低迷しており、全体としては19年6月期決算で売上高が前期比7.9%減の86億4850万ドル(約9167億円)と業績は芳しくない状態となっている。