ファッション

輝き続ける「ゴールド」世代に向けたアクティブなラグジュアリー誌 内山しのぶ/「ゴールド」編集長

 世界文化社は「ゴールド」を昨年10月7日に創刊した。バブル世代に青春を謳歌し、結婚、子育てなどさまざまな経験を積みながら、今もなお輝き続ける45 ~ 50代の女性に向けた雑誌だ。「艶カジ」をキーワードにファッションを提案し、多くの支持を得ている。ファッションのみならず、美容、カルチャー、旅、お稽古事にも意欲的な、アクティブな女性たちと同じ目線で誌面作りをしている内山しのぶ編集長に、その方向性を尋ねた。

WWDジャパン(以下、WWD):改めて「ゴールド」を創刊した経緯は?

内山しのぶ編集長(以下、内山):弊社の看板雑誌である「家庭画報」の下の世代の方たちに向けた、今後の
「家庭画報」の読者になるような雑誌を2年前から考えていました。リサーチをしていくと、バブル時代に青春を謳歌した方たちは45 ~ 52歳で、子育てが一段落し自分に余裕が出てきています。そのような女性がターゲットです。そのような方たちにインタビューしていく中で、ここから10年先、20年先も輝いていたいというパワーを感じたので、その方たちに向けたラグジュアリーな雑誌を創刊することになりました。

WWD:「ゴールド」を創刊して約半年が経つが、実際の読者はどのような女性たちなのか?

内山:とてもアクティブですね。フットワークが軽く、ファッションのみならず、美容、カルチャー、旅、お稽古事にも熱心です。妻であっても、母であっても、一人の女性として自分の生活を楽しんでいます。旅をすることで非日常を経験し、人生が豊かになると考えている方が多いので、旅にも一人旅、友人との旅、夫婦の旅の3パターンがあるのが興味深いです。先日も、家族のいる読者の方がエアチケットを自分で予約して一人で旅をしてきた話をしていました。

WWD:ファッションにももちろん関心が高い?

内山:ファッションでは「艶カジ=艶カジュアル」を提案しています。時代はカジュアルになっていると思うのですが、その中でも艶っぽさや色気など、同じカジュアルでもこの世代にしか出せない魅力を素材感やスタイリングで提案しています。上品でありながら抜け感のあるワンランク上のクラスカジュアルというのが、この世代に似合うと思います。誌面では、服がきれいに見えるのはもちろんのこと、素材感がきちんと伝わるように撮影しています。

WWD:「ゴールド」世代は自由に使えるお金が多いようだが?

内山:世帯年収は平均1200万円くらい。月に自由に使えるお金も平均12万円と高いですね。購買力が高く、
おもに百貨店やセレクトショップで買い物を楽しんでいます。百貨店での外商のお客さまも多いようです。セ
レクトショップでは、「ストラスブルゴ」は人気が高いですね。ブランドからも問い合わせが多いという声を多く聞きます。2月号の「私たちわがまま世代です」という特集ではオーダーファーの企画を実施したのですが、問い合わせもかなりありました。自分のスタイルがあるので、好きな靴は色違いで何足も揃えたり(笑)。娘の世代とは異なる、バブルで育った世代独特の買い方だと読者の方と話が盛り上がりました。

WWD:ライフスタイルではどんなこだわりがある読者が多いか?

内山:「ゴールド」読者は、ホテルが大好きな世代です。非日常の空間で美味しい食事を楽しみ、エステを体験できる場所として愛用しています。誌面で「ホテルのような家」のリフォームの実例を紹介したところ、とても反響が大きかったです。子育てが一段落し、インテリアを再度見直し、さらに本物や上質を求めるようになるのだと思います。6月号の湘南特集では郷ひろみさんの自宅を特集したのですが、テレビなどのメディアでも取り上げられ、すでに多くの反響をいただいています。年齢を重ねても頑張って輝いている方をリスペクトするのですね。

WWD:今井美樹さんが創刊から表紙を飾っているが、「ゴールド」世代が憧れる女性像とは?

内山:自分のスタイルを持ち、知性があって媚びない人が好きですね。ブレがない人。現在51歳の今井美樹
さんは、まさにそれを体現している女性で、アーティストとしても活躍し、オーラがあり、カッコいい。撮影のために毎回ロンドンから帰国してくれています。長谷川潤さんも年齢的には読者よりも若いですが、人気が高いんです。若くても凛としていてかつゴージャス感があり、内面から放つ輝きがある。そんな女性に共感するのだと思います。

WWD:創刊1周年を迎えるにあたり、何か企画は?

内山:11月号が1周年にあたる号になります。12月には読者を招待した記念イベントを計画しています。読者の方はイベントが大好きなので。年末ということもあり、ワクワクするような企画を考えたいですね。

WWD:誌面以外での今後の取り組みは?

内山:創刊時にメイクアップアーティストの嶋田ちあきさんのメイクイベントが好評だったので、6月にも実施する予定です。さらに創刊当初から温めてきた読者を集めたセミナーやイベントを実施する「もっときれいになりたい会」を結成します。定期購読をしていただいた方への読者サービスとして、さまざまなことを体験できる機会を設けたいと思っていました。「ゴールド」世代は意欲的でイベントに参加するのも熱心です。セミナーやイベントを通して、さらに読者と交流を深めていきたいですね。新しい友人を見つけたり、ファッションを楽しむ場としても、活用していただけたら嬉しいですね。

WWD:今後目標とする部数は?

内山:これから実売8万部を目指していきたいです。

WWD:さらに力を入れていきたいことは?

内山:今後、ウェブ、誌面ともに通販にも力を入れていきたいですね。特に美容グッズや健康にまつわる商
品、アンダーウエアなどを中心に、誌面での連載「50’sWINDOW」で人気の萩原リカさんがセレクトした商品を販売していく予定です。また、創刊時には、バッグブランドとコラボレーションしましたが、そのようなコラボ商品も増やしていきたいです。

我が編集部の自慢は?
編集部員は心臓が“たわし”です(笑)

編集部員は、滅多なことでは心が折れない男まさりな“ブルドーザー女子”が多数在籍。そんなキモがすわっている強い女性陣7人に加え、優しいフェミニスト男子が2人のメンバー構成。そんな中、「私は乙女です(笑)」と内山編集長。

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