中国最大手EC企業のアリババ(ALIBABA)は、中国の大手インターネット企業ネットイース(NETEASE)が擁する越境ECプラットフォーム「カオラ(KAOLA)」を20億ドル(約2120億円)で買収する。これにより、アリババは中国の越境EC市場の半分強を独占することになる。
「カオラ」は主に中国国内の消費者向けに衣類、ビューティ、家電などの輸入品を扱っている。今回の買収に伴い、「カオラ」の最高経営責任者にはアリババが運営する中国大手EC「Tモール(TMALL)」のアルビン・リュー(Alvin Liu)輸出入品部門ジェネラル・マネジャーが就任するが、名称は変更せず、引き続き独立したECサイトとして運営する。アリババは、「杭州市にルーツを持つインターネット企業2社が協業することで、さらなる発展を目指したい」とコメントを発表した。
アリババはまた、ネットイースが運営する音楽ストリーミングサービス事業「ネットイース クラウド ミュージック(NETEASE CLOUD MUSIC)」にも7億ドル(約742億円)程度の投資をするが、これはネットイースが引き続き支配株主となる。
中国のデータ分析会社アナリシス(ANALYSYS)によれば、2018年12月末現在で中国の越境EC市場の31.7%を「Tモールグローバル(TMALL GLOBAL)」が、24.5%を「カオラ」が占めており、アリババは今回の買収によって56.2%のシェアを握ることになる。なお、中国第2位のEC企業JDドットコム(JD.COM)が運営する越境EC「JDワールドワイド(JD WORLDWIDE)」のシェアは同11.5%だった。また、中国の越境EC市場の19年第1四半期における市場規模は908億3000万元(約1兆3624億円)だったという。