「Yahoo!JAPAN」を運営するIT大手のヤフーは、通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOを、約4000億円を上限とした株式公開買い付け(TOB)により、所有株式を50.1%まで引き上げ子会社化する。買い取り価格は2620円。創業者でZOZO株の約36%を持つ前澤友作社長は約30%にあたる約9200万株の売却に応じ、9月12日付で社長を辞任し、取締役も退任する。ZOZOは買収された後も上場を維持する考え。NHKが朝のニュースで報じ、午前9時に正式発表された。
ZOZOの運営する通販サイト「ゾゾタウン」は年間の商品取扱高3231億円に達する日本のアパレル分野のネット通販の最大手で、前澤氏は日本のファッションECを成長させてきた最大の立役者の1人だった。海外でもラグジュアリーEC企業の最大手であるユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP= YNAP)を、ラグジュアリーブランドのコングロマリットであるコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)が買収するなど業態を超えた合従連衡(がっしょうれんこう)が進んでおり、日本も今後はさらに業態を超えた新しい動きが活発になりそうだ。
前澤氏は常々、ヤフーの親会社であるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長を「最も尊敬する経営者」と公言していた。また、今年4月のZOZOの決算発表では中国市場への再参入を表明しており、ソフトバンクグループが大株主である中国最大のEC企業アリババ(ALIBABA)グループとも連携すると見られる。ヤフーとZOZOは本日12日午後5時半から会見を行う予定だ。
9月11日に前日比2.5%高い2166円だった株価は、発表を受けて買い注文が殺到し、現在(9時36分)は2491円にまで上昇している。