2020年春夏ニューヨーク・コレクションの後半に差し掛かり、4日目の4ブランドをプレイバックする。
トム フォード(TOM FORD)
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DESIGNER/トム・フォード
これまではインスピレーション源を公にすることをためらってきたトム。なのに今季は、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)やモデルのイーディー・セジウィック(Edie Sedgwick)がマンホールから出てくる時を捉えた1965年の写真、イーディーが身につけていたシルバーのブラジャー、リュック・ベッソン(Luc Besson)の映画「サブウェイ」、「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のアーカイブ、息子のクラスメートが着るナイロンのバスケットボールショーツ、カリーヌ・ロワトフェルド(Carine Roitfeld)のインスタグラムなど、脈絡のないインスピレーション源を列挙した。
ここから昔の地下鉄の駅をショー会場に、ボックスシルエットのジャケットや、シルクタフタのボリュームスカート、シルクジャージーのタンクトップ、レザーのホットパンツ、それにオブジェのようなメタリックブラなど、一貫性のないアイテムを提案。それを自由奔放に組み合わせることで、フォーマル、スポーティー、マスキュリン、フェミニン、エレガント、テディ、アクティブなど、さまざまなスタイルを導いた。アイテムは数種類に絞ったが、スタイルは無限大だ。
3.1 フィリップ リム
(3.1 PHILLIP LIM)
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DESIGNER/フィリップ・リム(Phillip Lim)
久しぶりにメンズ・ウィメンズの合同ショーを開催。ブランドの根底にある“ワークウエア”(仕事に着ていく服)は、テーラードのジャケットやパンツ 、クリーンなシルエットのシャツとして登場。そこにドローストリングでボリュームを調整できるようにしたり、ワンショルダーの非対称的なシルエットに仕上げたり、ダイナミックなラッフルやワイドなラペルなどを施したりして、ツイストを加えた。メンズもセットアップやシャツなどの定番アイテムにグラフィカルプリントをあしらったり、少しゆったりとしたシルエットに仕上げたりして、現代男性のためのワードローブを提案した。
ザ・ロウ(THE ROW)
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DESIGNER/アシュリー&メアリー・ケイト・オルセン(Ashley & Mary-Kate Olsen)
NY随一のボリュームシルエットブランドが、ジャストサイズまでフォームをコンパクトに改めた。フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)由来のコクーンシルエットが長き一時代を終え、エディ・スリマン(Hedi Slimane)が導いたコンパクトシルエット時代が到来するであろうことを予感させる。
ハイゲージのニット、砂時計シルエットのジャケット、クロップド丈のリラックスパンツ、ミディ丈のスカートは、体に沿うが締め付けることはない。モノトーンとごくごく淡いパステルカラーが穏やかな印象を強化し、ブランドらしい自然体の優しいムードはそのままだ。
アナ スイ(ANNA SUI)
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DESIGNER/アナ・スイ(Anna Sui)
イタリア人コスチュームデザイナー兼イラストレーターのリラ・ド・ノビリのイラストレーションからインスピレーションを受けた。シフォンや透け感のあるシアーな素材を多用し、エアリーでフェミニンなムードのアイテムが多数登場。パステル調のブルーやピンク、イエローといった淡いカラーパレットを用いたほか、ふわりとしたボリュームを袖や肩に入れ、さらに歩くたびに揺れるフリルを施すなどして、いつもに増してフェミニンでロマンチックなコレクションに仕上がった。