1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuがリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきます。
今日のニュース:
「アマゾンVSウォルマート
米2強の小売戦争 勝敗の鍵となるのはアパレル?」
読み解きポイント:
「やりづらいからこそアパレルを
制すものがECを制す」
ニュースのポイント
米小売最大手のウォルマート(WALMART)が“打倒アマゾン(AMAZON)”を掲げ、ECを強化している。アマゾンが2018年の米EC市場におけるアパレルとフットウエアの42.8%を占めた一方、ウォルマートは米国内に5000店舗以上を構えておりオフラインでのタッチポイントも多い。食料品での売り上げではアマゾンを圧倒するウォルマートが次に狙うのは、食料品よりも利益率の高いアパレルだ。
AZUはこう読む!
コンタクトレンズの洗浄・保存液、猫のエサ、コーヒー缶etc……。まとめ買いする日用品は、アマゾンでワンクリック購入。必需品だから買い忘れたくないし、持って帰るのは重いし、比較・検討がすでに終わったものだから何も考えずにネットで買います。
一方コモディティウエアではなく「コーディネートを楽しむための洋服」は、サイズや色、質感などを確認したいし、じっくり比較・検討したいのでアマゾンでは買いません。食料品などより高額なアパレルは購入の意思決定条件に「不足した情報をいかに補えたか」という点が追加されるので、出品者と消費者の間に情報格差が生じるネット販売に向いていないのです。
だからこそ、ネット販売がまだまだ弱いとされるアパレル分野で勝てば小売競争で加速できるはず、というのがこのニュースの読みなのでしょう。私もその読みには同意します。そしてアマゾンVSウォルマートの勝負は、実店舗を多数抱える後者の方が、これから打てる手が多いので、有利なのではないかと。
陳列や掃除といった店舗業務のオートメーション化や、ECで注文した商品を店舗駐車場でピックアップできるサービス「カーブサイド・ピックアップ」といったOMO施策に対し、今年中に1兆円の投資を行うというウォルマート。全ては顧客満足度を高めるためのデジタル・トランスフォーメーションです。
ブリック&モルタルの代表だった同社が店舗体験をより強固にすることでEC売り上げを伸ばしている事実に、何かとD2Cブランドに押されがちな実店舗アパレル企業はヒントを見いだせるのではないでしょうか。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne